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ゲームの中では国王様!?  作者: クスノキ
Chapter1 Select and Decision
4/5

Third episode

 ハンゾーが無意識だろうか走るスピードを上げる。

少女の声から察するに、もう一刻の猶予もない様だ。

鬱蒼と繁った森の中では比較的木々がまばらな場所で、俺の目にはまず3匹のゴブリンを相手に暴れまわっている馬が飛び込んできた。

しかしどうやら緊急を要するのはもう一方の状況の方であったようである。

意識のない血を流した男性が、ゴブリンに馬乗りの状態からナイフを胸に向かって突きつけられているところだった。

 聖騎士にも遠距離攻撃スキルはあるにはあるのだが、あのような状況で使える物は咄嗟に思い浮かばなかった。

というわけでハンゾーに何とかしてもらおう!・・・ハンゾーなら大丈夫!・・・ハンゾーなら期待に応えてくれるさ!・・・


「ハンゾー!」

「はっ、風遁・風手裏剣」


 ハンゾーが走りながら両手を使って印を、目では捉えられないぐらいのスピードで組み上げる。

印が組みあがったと同時に重ねた両手から、薄い緑色をした魔力で作られた手裏剣が3枚ナイフを突きつけているゴブリンに向かって放たれる。

そのゴブリンが俺たちの声に反応したのかパッと振り返り、飛んできた手裏剣をものの見事に回避した・・・が俺からは木の陰で確認できていなかったオークに、2枚の手裏剣が飛び出たお腹と肩のあたりに刺さっていた。

さすがハンゾー!これからは師匠と呼ばせていただきたい!よっハンゾー師匠!

もんどり打って倒れるオーク、あたりに悲鳴を響かせる。


「こいつらは俺がやろう、ハンゾーは馬の方を頼む」

「はっ」


 短く指示を出し、足から血を流した男性の様子を見ながら庇うように前に立つ。

チラッと見た限りではそれなりの血を流しているようだ、意識がないようなので止血作業をしなければ命にかかわるかもしれない。

 先程のゴブリンとの戦いでは頭の中が真っ白でいつの間にか戦いが終わっていたような状態だったが、今は不思議と興奮しながらも落ち着いている。

一度実戦を経験した兵士とルーキーでは天と地ほど差があるというのは聞いたことがあったが、身をもって体感するとは・・・

それにしても手裏剣を避けたゴブリンの身軽さには驚かされた。

ん?ちょっと待てよ、こいつよく見るとゴブリンにしては少し小柄だな、装備も錆びているとはいえナイフを持っているし、腰布も何かの皮を加工してるように見える。

もしかしてこいつゴブリンリーダーか?

特徴もゲーム時代と類似している、ってことはやっぱりここはThe dragon fantasy story onlineの世界を現実にした場所なのか?・・・まだまだ結論を出すには早いか・・・もっと情報を集めないと判断できないよな・・・っと戦いに思考を戻さないと・・

ゴブリンリーダーだとしたらちょっと厄介だな、ゲーム時代には毒やら麻痺や睡眠等々、状態異常を引き起こす攻撃を使ってきたはずだ。

現実になった今、そういう状態にはなりたくないな・・・ゲーム時代にはポーションやスキルで戦闘中でも手軽に回復できたが、目の前に敵がいる状態で、かつ戦いの最中に治せるとは考えないほうがいいか。

 俺が鞘から剣を引き抜いたのを見たゴブリンが隙を窺うようにして俺の懐に飛び込もうと身構える。

あの体格にナイフか・・・懐に入られると剣で迎撃するのが難しくなるな・・俺の剣の間合いを維持するように戦おう・・・と思ったが、先手必勝じゃい!

 俺は自ら間合いを潰すように走り出す、その勢いのままゴブリンリーダーに向かって剣を薙ぎ払うように振る。

一瞬驚いたような顔を見せたゴブリンリーダーは体操選手張りの後方宙返りで俺の攻撃を回避した。

 ま・・まじか・・・はんぱねぇなこいつ。

戦いの緊張からか自然と剣を握る手に力が篭る。

剣を正眼の構えに持っていこうとしたところで、手の甲の位置にまるでアームガードのように紋章が浮かび上がっている事に気づいた、さらに刀身は薄く白い光を纏っている。

おぉーかっちょえー・・・ゲームデザイナーの皆様いい仕事しますねぇ!・・

 ゴブリンも警戒している様子で、光る剣から目を離せない様だ。

剣にばかり注目がいっているようなので、剣をおとりにして攻撃したいところだ。ウッド君ボディーは高性能スペックだ、徒手空拳も問題なく熟せるだろう。

問題があるとすれば俺がこの体を使いこなせるのかっていうところだけで・・・というわけで早速実践でチャレンジじゃい!・・できるならさっきと同じ回避行動を引き出したいところだな。

 俺はこれ見よがしな感じを醸し出しつつ、同じように横薙ぎに剣を振るう。

するとゴブリンは先程と同じように後方に飛び上がる回避行動を見せた。

ゴブリンが飛び上がった段階で俺は足に力を溜めて間合いを詰め、体を回転させながら回し蹴りをゴブリンの胸に当てる。

足裏に胸骨を砕く感触が伝わり、ゴブリンが吹き飛んで後方の木と衝突する。

木とぶつかった時に当たりどころが悪かったようで、首をあらぬほうへ曲げ動かなくなった。

ゴブリンリーダーとの戦いを終えた俺は、倒れこんだオークやハンゾーの方の状況がどうなったのか確認する。

ハンゾーは既にゴブリン達との戦いを終えていたようで、俺がちょうど目をやった時にはオークの背後から首を掻き切るところであった。

つまり俺が一匹の魔物をまごまご相手している間に4匹もの敵を倒したことになる。


「陛下が倒されたゴブリンが最も手強かったようです」

「そ・・そうか・・・」


 俺にフォローの言葉をかけるハンゾー。

この体に憑依してからまだ実戦経験2回目だしー、うまく戦えなくても当然だしー、全然俺は悪くないしー、むしろ頑張ってる、頑張ってるよ俺!っと心の中で自分を徹底的に甘やかす。

いやちょっと待てよ、さすがにまずいよな、ハンゾーが4匹で俺が1匹、単純な戦果の問題として・・・よし!これを魚釣りだと仮定してみよう。

俺が真鯛を一匹釣った、そしてハンゾーがあじを4匹釣ったとすれば、当然俺の釣果が優れているよな。

問題はハンゾーがオークを倒してるってところだ、当然オークはゴブリンよりも手強い相手で、ゴブリンリーダーっとどっちかって言われると微妙なラインだ。

オークを平目ということにしておこう、真鯛vs平目and鯵3匹という結論としよう。

五分五分だな、そういうことにしておこう、今回のところは引き分けとしようじゃぁないかぁ!ハンゾー君!

 俺が頭の中で余計なことを悶々と葛藤している間にもハンゾーは倒れこんでいる男性の傷の状態を確認していたようだ。


「男性の容態はどうだ?」

「出血がやや多く、どうやらナイフに毒が塗られていたようです、傷口にわずかに残されておりました」


おもむろに立ち上がったハンゾーはゴブリンリーダーが持っていた錆びたナイフを確認する。


「毒の匂いや男性の状態から睡眠系の毒、おそらく月見草から作られたものだと思われます」

「解毒の必要性は?」


「月見草は医療に用いられることもある薬草の一種です、ですので解毒せずとも時間が経てば目を覚ますでしょう・・・」


ハンゾーがやや語尾を濁したような物言いをしている、他にも問題があるようだ。


「他にも何か問題があるのか・・」

「はっ、止血作業は行いましたが傷が深く出血が完全には止まりません。このままでは命に係わるか、内部から傷が腐り足を切断せねばならない事態になるかもしれません」


「・・・お父さん、死んじゃうの?」


ハンゾーの背後から幼い少女が俺たちの会話を聞き捨てならなかったのか、問いかける。


「この子はいったい?」

「壊れた牛車の中に隠れていたようで、名をメアリーと申すそうです」


どうやら森の中に響いていた悲鳴は彼女のものだったようだ、そして関係性は地面に倒れている男性の娘さんといったところか・・・・彼女の父親であるならば無責任なことは言えないな・・・こんな時はどう話せば良いものなのか・・


「まだどうなるかお兄さんたちにもわからないんだ、ただベストは尽くすからしばらく大人しく見ていてね。」

「・・うん」


体格から察すると未だ5歳にもなってない少女だろうか、不安そうに俺達を見上げている。

 彼の怪我を治す方法か・・・ちょっと考えてみよう。

実際のところパッと思い付いただけでもいくつかアイデアはある。

一つ目がアイテムボックスにあるであろう回復ポーションを使うことだ、そしてもう一つが聖騎士のスキル聖なる癒し(セイクリッドキュアー)を使うことである。

ただこれらの方法は問題もあってゲームのシステムウィンドウがないと使えないといったところだ。

ちなみにゲーム時代は画面上にあるシステムウィンドウからスキルやアイテムにカーソルを合わせ、ポチポチボタンを押して使用していた。

そしてこちらの世界におけるシステムウィンドウは今のところ開き方が分からないし、そもそもゲームではなく現実となった今そんなものがあるのかどうかすらわからない。

そう、分からない分からない尽くしだ。

俺が頼みとするネット小説なんかでは頭の中で連想したり、ボソッとつぶやいたりすると使えるようになるみたいなパターンが多かった。


「システムウィンドウ・・SW・・システムウィンドウオープン・・ステータス・・ステータスオープン・・・・・開けゴマ・・」


 だ・・ダメだ、システムウィンドウが使えない。

ヤバいぞこれは、システムウィンドウが使えないということは、お金もない、アイテムもない、スキルも使えない、MAP・メッセージ等々便利機能も使えない、ないない尽くしだ。

どうする、どうするんだ俺?

この世界でなんとか生き抜いていく難易度が急激に上昇しているぞ、せめてこの中の一つだけでもあれば選択肢がグッと増えるというのに・・ちくしょう、ないものねだりか・・・

しかしそうなるとハンゾーはどうやって忍術スキルを使っているんだろう?


「突然だが、ハンゾーは忍術をどのようにして使っているんだ?」

「幼き頃から技と魔力操作の訓練を重ねております」


「そっ・・そうだよな」


 子供の頃からの訓練、確かに大事だよ。

確かに大事な事なんだけど、今聞きたいのはそういとこじゃないんだよなー。

何ていうのかコツとかポイントみたいなそういう感じのトコを教えてほしいわけよ。

でもさぁコツ教えて!ってちょっとバカっぽくて軽い感じだし、忍びの秘伝とかあるかもだから聞きづらいよな。


「忍術に関しては頭の中のイメージを特に重要視しております、結果を意識するといいましょうか言葉では説明しづらいのですが・・」


 頭の中のイメージと結果を意識する、・・か

ゲーム時代の効果やエフェクトなんかを思い出しつつ、回復魔術聖なる癒しを使っている自分をイメージしてみよう。

すると・・・うん?

頭の中にまた別のイメージが唐突に浮かび上がってくるのを感じた。

 ドアの鍵穴だろうか・・・3つの鍵穴が横並びに浮かんでいる。

さらに具体的に、倒れている男性の傷口にスキル聖なる癒しを使う自分をイメージしてみると、またしてもどこからともなく現れた鍵が一つ目の鍵穴にピタッと嵌り、そのまま回りながらカチッと音を鳴らした。

つまりこれは何らかのプロセスをこなして残り2つの鍵穴に鍵を刺せば、スキルが発動するということなのか・・・あくまで予想だが大きく外れてはいないだろう。

であるならば色々と試してみよう、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる戦法だ。

 そこで一つ閃いたのが聖霊シルビアへの祈りである。

以前The dragon fantasy story onlineの設定集を俺は読んだことがあって、設定集にはクラスの成り立ちのようなものが記載されていた。

そしてその中には聖騎士や聖魔術師はシンシナティア聖教国の準聖職者であると記載されていたことを思い出したのである。

聖騎士が聖職者であるならば、なんとなく信ずる神への祈りの言葉だろうっと閃いたわけだ。

俺自身はまったく神様など信じていないわけだが、果たしてこんな俺でも祈りは通じるのだろうか?

そして肝心要の聖霊シルビアも初期国家シンシナティア聖教国の守護聖霊である、としか設定集に記載されていなかったはずだ。

さてさて、次の問題は具体的にどういう祈りの言葉を唱えればいいのか?というところだ。

大抵こういう宗教絡みのものには決まり文句がありそうなものである。

俺は当然そんなものは知らないし、なんとなく雰囲気を醸しそうなものをハンゾーに聞こえないように試しにボソッと言ってみる。


「聖霊シルビアよ、力を与えたまえ」


 先程と同じように開いた鍵穴に鍵が嵌るイメージがフッと湧いて出て来た。

え?・・・こんなテキトーでいいのかい、シルビアさん?

我ながら飾りのないシンプルな言葉だとは思うのだけれども、はっきり言うと味気なくて信仰心を感じられないよーな。

まぁ何はともあれ2つの鍵穴に鍵を刺すことに成功したわけだ。

最後の三つ目の鍵穴だけ微妙に形が異なっている。

今までの二つはよくあるタイプで上から見た古墳のような形とでもいえばいいだろうか・・

しかし三つ目の鍵穴のタイプはアルファベットのCを少し変形したような形をしている。何らかの意味があるのだろうが今のところさっぱり見当がつかない。

ゴニョゴニョ呟いてる俺を見ていたハンゾーが、


「陛下、何らかのスキルを使おうとなされていますか?」

「この男性に回復魔術を使おうかと思ってな」


「なるほど、であるならば体内魔力の活性化は行われないのですか?」

「体内魔力の活性化?」


「はっ、ご存知かと思われますが体内魔力を活性化することを起点に、技や術を発動させる一連の手順の事でございます」


「陛下の先程の戦闘時は、それは見事な魔力活性でございました」

「そっ・・そうか」


 体内魔力の活性・・・?

ゲーム時代には聞いたことがなかった単語だな、そして俺は無意識のうちに体内魔力の活性化を行っていたということらしい。

そもそも魔力って何だって話なんだが・・・体内魔力って言うぐらいだから体のどこかに存在してるんだろうけど、どうやったら魔力を認識できるんだろうか?

俺の脳のHDDに記憶されているネット小説あるあるでは、魔力やら魔術や魔法の類は、瞑想とセットになって語られるのが定番だ。

 小説の主人公たちに倣い、俺もセオリーに乗っ取って行動するとしてみよう。

目を閉じて深呼吸するように間を取りながらゆっくり息を吐く。

無意識に行えるようになるまで何度もそれを繰り返す。

2,3分経っただろうか・・・あーなんか眠たくなってきた・・・っていうかくらくらする・・あ、やばいこれ軽く酸欠になってないか・・

慌てて瞑想(笑)を取りやめる俺。

 しかし瞑想をやったおかげなのか、お腹のお臍辺りに今まで感じたことのない異物感を感じる。

これがもしかしたら魔力なのかもしれない、それとも単純にお腹にガスが溜まっているのかもしれないが・・

鳩尾にある魔力の源のような物を意識して何かしら意図的に作用できないか調べてみる。

やってみると割と簡単にモヤっと球形な魔力が様々な形に変容することが分かった。

体内魔力の活性というぐらいなので激しく動かしたり、回転させたりすると何かしら起こるのだろう。

まずは全身に魔力が行き渡るようにモヤモヤ魔力の形を変えてみると、特に体調に変化は感じられない、強いて言うなら全身の体温が若干上がったかなという感じだ。

全身に魔力を行き渡らせるだけで活性化してるとは思えないな。

その状態を維持したまま思いっ切りグニャグニャと魔力の形を変えてみると、吐き気と眩暈と体温の上昇による冷や汗の三重苦が襲ってきた。


 慌てて木の陰で前屈みの姿勢になって、胃酸の逆流に備える。

一瞬だけであったが今のはまずかったようだ、誰しも経験があるであろうインフルエンザのヤバい時の症状だった・・・魔力の形を激しく体内で変えるのは体調不良を引き起こすと、しっかりと頭のメモ帳に記帳しておこう。

 次に試すべきは魔力の回転だろう。

俺の勝手な妄想だが活性と回転ってなんとなくイメージが被る感じがするんだよね。

分からないなりに体内魔力の形を弄くってきたわけだが、色々形を変えても鳩尾にある中心部は歪な形ではあるが球形を保っている。

まずは球形である中心部を回転することにして、そして回転させるにしてもゆっくりと始めることにしよう。

力を少しだけ加えるようなイメージで、回転数が一定になるように調整する。

回転数がある程度一定に落ち着いたあたりから、体が運動をしている時のようにポカポカと内側から温まるのを感じる。

全身に魔力を行き渡らせた状態で、中心部の魔力を回転させるとこんな感じになるのか・・・これは素晴らしい・・・似たような感覚として、丁度いい温度の温泉に浸かっているときのような感じか。

 魔力操作の温泉顔負けのリラックス効果に感心していると、またしてもどこからともなくCの形をした鍵穴とモヤっと球形魔力のイメージが脳内に現れた。

ははーん・・・これは分かったぞ・・・魔力を鍵穴のCの形に変形しろというわけだな。

あ・・あれ、意外と難しいな。

あちらを立てればこちらが立たず、片方を整えると反対側が少し歪になるみたいな・・・

どうにかこうにか整形し、鍵穴に魔力を刺す。

これで3つのプロセスを完了させたわけだがいったいどうなるのか楽しみだ。

 3つ目の鍵を回しカチッと音が鳴った瞬間に、体が軽くなり魔力が体の外に抜け出ていくのを感じる。

ゲームだった頃にはお馴染みの白い光のエフェクトが、倒れている男性を囲むように降り注いだ。

現実となった今あのエフェクトは何かしらの意味があるんだろうかねぇ、そんな益もないことをボーっと考えていると、ハンゾーが回復魔術の効果と男性の容態を再確認していた。


「顔色も良くなりましたし、呼吸も安定しているようです」

「分かった」


内心ではスキルが使えたことを飛び上がって喜びたいんだが、ハンゾーやメアリーちゃんがいる手前、何でもないことのようにクールな感じを装っている。


「お父さんのお怪我治ったの・・・?」

「あぁ、もう心配することはないよ」


 ハンゾーがメアリーちゃんの頭を撫でながら中々の子煩悩ぶりを発揮している。

子供の扱いも手馴れているだと・・・ハンゾーはパーフェクトヒューマンだったか・・・俺の完敗だ・・


「お兄ちゃん、ありがとう」

「お父さん治って良かったね」

「うん!」


お・・お兄ちゃんだと・・・俺は遂にやったんだ・・人生の本懐を達成したんだ・・・俺は勝った・・ありがとう神様!

そして俺は初めてハートが撃ち抜かれた音を確かに聞いた・・・・・・・気がする。

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