第1章 第4話 はじめての街
続きです!
だんだんと更新ペースを安定させられたらいいなぁ、と思います…
楽しんで読んでください!
「お前、名前はなんていうんだ?」
突然の表情の変化に男は驚いた。
こんな表情もするのか…。
「私、名前…無いんデスよ。」
弱々しくポツリと言葉を漏らす少女。
まるで折れてしまいそうな声に
「そうか、俺も無い。だから、一緒だ。」
ぶっきらぼうに応える。
少しでも慰めになればいい、そう思った。
「あは、一緒デスね。」
弱くか細く、しかしはっきりと少女ははにかんだ。
まるで何かを秘めているように。
こうして、お互い名前を知らない相手と共によくわからない旅を始めることになった…
と、いい感じにまとめてしまっているが。
都合よく話が進み過ぎている。
少女はこれでいいんだろうか??
まぁ、男的には問題ないんだが…。
「どこへ行きたい」
男は問う。ブレスレットさえあればどうにでもなるので、少女からこっそり返してもらう。
若しくは、少女から離れなければ然程問題は無いだろう。
だが無茶を言われて叶えてあげられるかどうか…。
そんな心配をよそに、少女の答えは簡単なものだった。
「私、マチ?と言うところに行ってみたい、デス。」
「街か…この近くならアイルかな。」
「あいる…行っていいんデスか?」
おずおずと、しかし期待の入り混じった目で見つめる少女。
「行きたいんだろ、行くぞ。」
ぽん
少女の頭に手を置く。
撫でられた子ネコのように目を細め、少女は大きく頷いた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
「これが街、デスか…!」
キラキラと目を輝かせる。
ここ、アイルは大都会。というわけではなく。寧ろ『村』と呼んだ方がしっくりとくるような、自然の多い街だった。
水が豊富なようで、あちこちで噴水が上がっている。
「はわわ、これ、なんデスかっ」
噴水を指差してトテトテと駆け寄る少女。
「噴水を知らないのか?」
「ふん、すい…?」
少女は少し恥ずかしそうにもじもじとした。
「私、森から出るの初めてなんデスよ。本に書いてあったことしか、知らないんデスよ…。」
…そうか。だからあんなことを言っていたのか。
また、1人になってしまったと呟いていた
姿を思い出し、納得する。
「こ、これからどうするデスか?」
明らかに話題を変えてきた少女。
仕方がない、乗ってやるとしよう。
「んー、まぁ、宿でも探さないとな。」
森から歩いてきたこともあり、かなり日も暮れていた。
流石にこの少女、下手したら幼女と同じ部屋に泊まるのはまずいか…。
かかる金額に頭を抱えていると、
「やど、ってなんデスか?」
「は?」
思わず声に出る。
「…寝る場所だ、疲れてるだろう。変な意味はないからな。」
一応ことわっておく。
しかし少女が気になったところは別のところだったようだ。
「…ねるって、なんデスか??」
「…え?」
どうでしたか?
少女が無垢で可愛いように描写したいなぁ、と痛感します!
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