シャボン話
低反発枕の八つ当たり
首を寝違える
人も寝違える
すこぶる損傷
致し方無い
痛 仕方ない
ビニール袋にビニール袋
哀しさすら
黒煙に消えていく
シャボン話
黄色のクッションに
幸せを願っても
座椅子の上に置いたら
幸せは動かない
使っているのに?
使っているから?
壁に話して消える
シャボン話
辛かったら言いなさい
それくらいで
言ってはいけません
こちら側の物差しで言いながら
そちら側の物差しで諭す
誰に効くんだろう
誰に聞くんだろう
誰かの為も消える
シャボン話
移ろう季節に
風が虚う
そして 鬱労
労い無しの話は
迷惑この上ない
片方無い靴が
使えないみたいに
片方無い心は
使えないみたい
肉体が衰える前に
消えてしまいたいと考え
それを実行してしまう
小さな甘えと逃避の気持ち
それを虚にしてくれないか
シャボン話
虹色が嫌いだった
あんな不確かな色が
好きな人の気が知れない
だから 虹も嫌いだった
三角形の内角の和でしか
生きられていない
だから 僕等の未来が
円くなる事は無い
地球は球体なのだから
球体で物事を考えないのなら
当然の話かもしれない
シャボン話
雨が降る
誰かの虚しさの所為だ
生きながら死んでる
そんな
甘ったるい飴を振る
口は災いの元なのは
その飴の所為だ
水浸しの身体
シャボン話
知らない事は
世の中にたくさんある
分かっては消えて
消えては分かって
話の花も
話のヒレも
いつの間にか消えて
いつの間にか分かって
最後に砂になる
弾けた人類
シャボン話