9月23日
9月23日
朝起きたら、きぃちゃんがテーブルの所でお菓子を食べてた。ちゃんと座布団に座ってる。
なんだか、この恐さにもだいぶ慣れてきた。
あぁ、またいるんだなぁ~って。
おはよう、って声かけてみたら、きぃちゃんがバッと振り向いた。
「あーちゃん、いたい、いたい。だいじょおぶ?
きぃは、あのこをおうちにいれないので、せいいっぱいなの。ごめんね、あーちゃん、ごめんね。」
って言いながら寄ってきた。
やっぱり、どんどん存在感がしっかりしてきている。
この子って、やっぱり幽霊より妖怪なのかな?
大丈夫だよ、あの子って誰のこと?ってきぃちゃんに聞いたら、きぃちゃんが困った表情をした。
ほら、やっぱり。 いままで、無表情だったのに、これ絶対、進化してるじゃん。
「あのこは、かわいそうなこ。きぃは、だめってしか言えないから、あのこを助けられないの。」
でも、やっぱり要領が得られない。
助けるって何から? あの子って、小野さんちの息子さんだよね?って聞いたら、きぃちゃんが首を傾げた。
「きぃは、よくわかんない。あーちゃん、まもるのがきぃの役目。あのこは、たすけられないの。たすけられないの。かわいそうなこ。おなかがすいてるこ。」
そう言って、きぃちゃんが消えた。
謎がなぞを読んでいる感じで、スッキリしない。
それに、3歳の男の子に、いったいなにが出来るって言うんだ。私も大概だな。考えすぎだろうか?
でも、お腹が空いてるってきぃちゃんが言ってた。
あの子に、なにかが取り付いてるのか、それともただ見えているのか?
考えても空恐ろしい事ばかりで嫌んなる。
小野さんちの息子さんは、無口で大人しい。
こうして、日中、部屋にいるのに下の階から一度も声が聞こえない。
う~ん、スッキリしない。