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あや子の日記  作者: 緑青 海雫
9月
16/19

9月22日

 

 9月22日


 今朝は最悪の目覚めだった。

 座敷わらしちゃんが、泣いていたからだ。

「あーちゃん、いたい、いたいなの。おこめ、手ってににぎってて。にぎってて。

 きぃは、おんもに行けないから、あーちゃん、いたい、いたいなの。いたい、いたいなの。」


 不吉な予言をしてくださった座敷わらしのきぃちゃん。

 泣く場所、泣く場所を考えてよーっ!

 そこ、私の胸の上! お陰で金縛りが辛かった。

 そのまま寝落ちすると、きぃちゃんは居なくなっていた。


 日に日に座敷わらし……いや、きぃちゃんの存在感がしっかりしてきている。

 え? これって、お供え物の賜物ですかね?

 いや、きぃちゃんが成長期なのかな?


 それより、私がいたい、いたいって、なにが起きるのかなぁ~………?

 と、疑問に思ってる時期もありました。


 ………ええ、やられましたよ。

 ストッキング、伝線しまくりの膝っ小僧擦りむきましたがな。

 アパートの階段で、誰かに突き落とされました。

 はい、ぶっとばーっす!!

 誰やねんっ!! マジで危ないことしよって!!

 お陰で手に握ってたお米をぶちまけましたがな!!

 ハイヒールは折れるし、ストッキングも駄目になって、怒らない女子はいるのでしょうか、いいえ、居ませんよね??


 10段ある階段の一番上から3段目に降りる瞬間に、背中を突き飛ばされたのだ。

 7㎝のハイヒールだったから、バランスを崩してしゃがみこんだら、ごろりごろりと階段を落ちてしまった!

 大きな怪我がなくて良かったけど、本当に怖かった。

 なんとか踊り場へ転がった。

 急いで後ろを振り向く。


 ………だけどそこに、誰も居なかった。


 全身の冷や汗と鳥肌は止まらず、やっと感情が追い付いてきたと思ったらガタガタ震えた。


 よし、仕事をサボる口実が出来たぜ!

 ポジティブに構えてみたけど、やっぱり先程の恐怖は拭えなかった。

 バックから携帯を取り出して、課長に電話をかけた。

 言い訳は「出勤中、何者かに階段から突き落とされてしまい、足を挫いてしまいました。病院へ行きたいので仕事を休ませてください。」と、嘘偽りない言い方をした。

 そのまま、タクシーを読んで病院へ行ったら、背中が居たくなってきたので、看護師さんに見てもらった。

 そしたら背中に、真っ赤で小さな手形が付いていた。

 小さな子供にでも強く叩かれたの?と聞かれたけど、首を降りながら私は俯いてしまった。


 これやったの、たぶん、小野さんの息子さんだ………。


 アパートに戻るのが急に恐ろしくなった。

 でも、行く宛もないから、渋々と戻った。


 そういえば、踊り場へぶちまけた生米が、何処にもなかった。

 だれかが、掃除でもしてくれたのかな?







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