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想いの四季

作者: 夏詩月 翠

春が来た、新たな出会いの季節。

よく知った顔ぶれも、まったく知らない顔ぶれも一堂に会す

そんな場所で貴方と出会った。


貴方の太陽のような笑顔は私を照らし

私は太陽に向かって成長する植物のように

貴女の前でいいところを見せようと一生懸命何事も取り組んだ。


ある雨の日の帰り道。貴方と刺した一つの傘。

遠巻きに上級生に噂される貴方と私

つい照れてしまって心にも無いことを言ってしまった私。

本当は嬉しかったのに。

門で別れた二人。貴方の背が見えなくなるまで静かに見守った。

決して貴方が振り返ることはないだろうに。


夏が来た、長い休みが二人を分け隔てる季節。

貴方に貸していた本を私は終業式ぎりぎりに急に返してといった。

貴方はちゃんと持ってきてくれていた。

一つ付け加えると一部の本が消失してしまっていたけど、私は何も言わなかった。

それから秋がくるまで私は待ち焦がれた。貴方を想い、夏は過ぎ去って行った。


秋が来た。貴方の名を冠する季節。

貴方と過ごした体育祭。

思わず貴方のことを自分のモノだと言ってしまった恥ずかしさ。

赤面してしまい貴方の顔を見ることもできなかった。


貴方と一緒に居たくて同じ部活動に入った。

長く続かなかったけどそれでも一緒に居たかった。

貴方は途中で辞めてしまった。

私も、それからしばらくして部活動に行かなくなった。


冬が来た。最後の別れの季節。

私の落し物を拾って、いつもの笑顔で渡してくれた貴方。

嬉しくて照れくさくてろくにお礼も言えなった私。


席替えで貴方の隣になった私。

貴方にいつか伝えようとしていた想い。

最後の授業、私は欠席してしまった。


伝えられなかった想い。後悔。

私は永遠に貴方に想いを伝えるチャンスを失った。


また春が来た、旅立ちの季節。

貴方の隣には私はいなかった。

誕生日も教えてくれなかった貴方。

私はただ貴方が笑っていられるのならそれでよかった。


めぐりめぐってまた貴方の前に私は居た。

私はただ貴方が幸せでいればそれでいいと想った。

貴方が別の誰かと、その誰かと幸せそうに過ごしている姿を見て

胸を痛めたけど、それでも私は。


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