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魅惑のキャンディー

作者: 鯣 肴

「ねえねえ、未来(みらい)、知ってる?」


教室に着いて、机でへばっている私のところに来て、身を乗り出してそう言う来未(くるみ)

別のクラスなのにわざわざ私のところまでちょくちょくやって来る。


めんどくくさいけどとりあえず答えておく。


「どしたのさ?」


「これこれ。みてみて。」


飴玉の包み紙。中身は既にない。食べてしまったのだろう。

しかし、風変わりな包み紙だ。

その包み紙、棒つきキャンディーの絵が書かれている。それも、毒々しい色をした。外国で買ったお菓子とかにありがちな、原色でテカテカな色。毒気の感じられる色。


「なにさそれ?」


普段は来未(くるみ)の話を聞き流してばかりの私も、その時は気になった。


「これはね、棒つきドロップスだよ。」


包み紙だけ見せられて、これ飴って言われても……。私にどうしろっていうのか。


「こっちがまだ開けてないやつね。」


私は違和感を感じた。見せられた飴は、包み紙に包まれているが、棒はどこにもついていない。棒がついてないけど、棒つきドロップスって、どうしてこんな


「これすっごいおいしいから、未来も食べてみて。」


その飴を来未(くるみ)は私の机に置く。

なぜだろう、それを見た途端、すごく食べたくなってきた。

急に口の中で唾液が溢れる。


しかし、次の授業が始まってしまう。次の授業は体育。休んでいる時間はない。

私は食べたいのをぐっとこらえて着替えを始めた。

机の上に飴を置いて。


「え、ちょっと。未来食べないの? じゃあ、やっぱり私が食べちゃおっと。」


来未(くるみ)は手を伸ばし、その飴を食べてしまった。


「後で食べようと思ってたのに……。」


「あ、ごめん。つい手が伸びちゃった。私今ストック持ってないんだ。だから、また後で持ってくるね。私も次の授業移動教室だし、そろそろ行くね。またねっ、未来(みらい)。」


全く悪びれていない。まあ、いつものことか。気にするのもめんどくさい。

飴は昼までおあずけだなあ。

手を振って来未(くるみ)は教室から出て行った。


時間は飛んで、昼休み。

来未(くるみ)は私のところにまだ戻ってきていない。




今回のオチは分かっていただけたでしょうか。読んでくださった方ありがとうございます。

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