第2話 きもだめし
「なんでだよっ!?なんでいきなりきもだめしっ!?」
私のその言葉に気持ち悪い笑みをさらにひろげた緩奈。
「なに〜?鈴香、この鈴蘭学校の七不思議、しらないのぉ〜?」
気持ち悪い笑みの顔の緩奈がガッと近づいてきた。
「ひぃ!」
つい、引きつった顔で変な声を上げてしまった。
そんなことはお構いなしに緩奈は続けた。
「その七不思議の中には、『音楽室のグランドピアノで午前二時に「エリーゼのために」をを弾くとそのピアノに食べられちゃう』ってのがあんのよ〜?」
「そ、それで、その話がさっきのとどう関係があんのさ!?」
「にゃはは〜。そんなの・・・」
全員気持ち悪い笑みになってこう続けた。
『面白いからに決まってるじゃん!』
やっぱりか・・・。やっぱりそうなんだぁ〜・・・。まぁ、それしかないよね〜。いや、唯一のツッコミは疲れるわ〜。アハハ。
――――――――というか、ツッコんでも、いいですか?
「てか、なんで私がきもだめしについていかなきゃならんのだ!お前らだけで行け!」
一瞬、あきらめた表情をしたものの、一応反論してみる。
その言葉に対して歩は、
「やっだなぁ〜。霊感のない私達だけで行ってもたいした情報仕入れられないし〜?それに、やっぱり面白くないじゃ〜ん?」
と、そう言った。
私に同意を求めるな!なんだ?面白くないってのは!?私のリアクションが見たいだけじゃないのかっ!?そうなのか!?そうなんですか!?
「それに・・・。「エリーゼのために」弾けるの、鈴香だけだし。」
と蘭。
うぐぐっ。否定できない。幼稚園の頃あたりに無理矢理ピアノを習わされたのだが、今でも弾けるかどうか。
「だっね〜。ってことで鈴香っち。きもだめし行く事、決定だね♪」
ポン、と粋奈が私の肩をたたく。
マジですか?
どうやら、マジみたいです。
迷惑な話だが、私がきもだめしに行くことは決まったらしい。
私は今、学校へと向かっている。夜の学校に。
『鈴香!今日の夜十一時、学校の門に集合ねっ!来なかったら、明日地獄行きだから覚悟しておきなさい!』
そんなこと言われたら行くしかあるまい。
っていうか、緩奈ならマジでやりかねない。(実際に、緩奈の兄が半殺しにされているところを見てしまった事があるから余計にリアリティがあって恐ろしい・・・。)
ということを考えているあいだに集合場所に到着〜。
「にゃっ!鈴香っち〜。遅いぞっ!」
「うん・・・。遅い」
門にいたのは幸田シスターズ。
「あんた達が早すぎるんだよ。はりきりすぎ。」
今はまだ、七時三十分だ。
「鈴香こそ早くきてんじゃ〜ん。ヒトのこと言えないでしょ〜?」
と、粋奈が言った。
「いや、私はそういうんで早く来たんじゃないの。まったく・・・。だって、早く来ないと、ば・・・・」
私の言葉は途中で途切れた。
なぜなら・・・。
「やっほっ〜〜〜!!来たかっ〜?鈴香っ!」
ビシッと手をあげながらこっちに来たのは緩奈。
「おっ!歩来てないじゃん。じゃ、罰金決定だね〜。」
罰金とは何か?
それは、緩奈は、いっつも人のことを待たせるくせに、人のことを待つのが嫌いなのだ。
だから勝手に「罰金制度」ってのを作って、待ち合わせで、一番遅く来た人が、全員に何かおごる、ってことになっている。(とかいっときながら、自分が一番遅く来たときはあやふやにして払わないんだよね・・・。まったく、理不尽なんだよ・・・。)
「そっか・・・。「罰金制度」があったね・・・。たしか鈴香っちはもう四、五回くらいこれの餌食になってたね・・・。」
ゴニョゴニョと蘭が耳打ちしてきた。
そうなんですよぅ。この理不尽な制度で私はもうすでに、一万円近くを支払ってる。(本当にきついんだよ。みんな罰金払わないようにかなり早く来るから、それより早く来るのはかなりね・・・。はぁ・・・。)
「ふぇ〜〜〜!後れてゴメーン!」
走りながらこっちに来たのは、歩。
「おっそーい!!罰金!」
緩奈は、歩に指を突きつけた。
って、おいおい。あんたもさっき来たばっかだろうが。
「うぅぅ。今まだ八時五分なのにぃ〜。」
まぁそうだが。でも私も罰金はいやだからね。アハハ。すまんな歩、犠牲になってもらって。
「さて、いきますか。」
そう言ったのは、蘭。
「そだね。行こう!情報集め・・・じゃなくてきもだめしに!」
はいはい。きもだめしという名の情報収集でしょう。歩にとっては。
「さぁ〜て!夜の学校に忍び込むぞぉ〜〜!」
不法侵入は、したくないなぁ・・・。
とかい言っときながら、この人たちについて行く、私も私だが・・・・。
ども。銀風です。
一日遅れてしまって、本当にすいませんっ!
今度は、遅れないように気をつけます・・・。
できたら、明日更新できたらなぁ〜と思っています・・・。
でわ、また次の回で〜。