第1話 始まり
「ねぇ。キユウちゃん。引っ越してくる前はどこに住んでたの?」
「東京。」
「キユウちゃんって誕生日いつ?」
「四月九日。」
「キユウちゃん。星座は何?」
「おひつじ座。」
女子たちの質問攻めに動じることなく、淡々と答えている。
そして、定番のアレがきた。
『ねぇ。キユウちゃん。うちの鈴蘭学校の事よく知らないだろうから、案内するよ?』
「あぁ〜〜。きぃ〜〜たぁ〜〜〜。」
耳元で言われてビクッとした。
「なっなに!?歩!?」
後ろには、歩がいたのだ。
「いーなぁー。私も案内したいなぁ・・・。」
・・・。歩は、どうせ情報目当てだろう。
「そうだなぁ・・・。じゃ、私あの人にお願いする。」
そしてキユウは指をさした。
「え・・・?」
キユウは、私を、指さしていた。
「い〜なぁ〜。鈴香ぁ〜。私も案内したかったぞっ!」
能天気な歩・・・。
なっ、なんで私なんだよぅ〜〜〜〜!!??
「えっとー。ここが図書室―――――。」
かなり大きいうちの学校の図書室を指さしてキユウの方を向いた。
「ふ〜ん。」
キユウはあいかわらずぼけーっとして・・・・いやっ、何を考えているのか分からない顔をしている。
「で、このとなりが、音楽室。」
キラリ。とキユウの目が光ったような気がした。
「ちょっと中見せて。」
キユウはスタスタと歩いていって、音楽室の中に入っていった。
「えっ!?あっちょっと待ってよ!」
私は追いかけて、音楽室の中に入った。
その瞬間―――――――。
私の背中に鳥肌が立った。
何か、異世界に入り込んだのかのような違和感――――。
「ふ〜ん。このグランドピアノ、いつからここにあるの?」
え?グランドピアノ?
「えっと、たしか去年だよ。うん。」
たしか、卒業生からの寄付だとか何とか。
「そう。去年ね。じゃ、次いこ。」
そっから先の案内は大体さっきと同じ。
一体なに考えてんだか・・・・。
そして、次の休み時間―――――。
「っいう感じかな〜〜?ま、特に特別なことはなかったけどね〜〜。アハハ。」
私は自分の机に座りながら歩に語って聞かせた。
「何いってんのあんたぁ!最高のミステリーじゃないのっ!」
おいおい!なぜ今の話から、ミステリーになるんだっ!?どうゆう解釈のしかただよ!?
「そうよ!その話面白いわ!」
「うん。」
「はーい!私もそう思いまーすっ!」
ガッと歩の肩をつかみながら現れたのは、緩奈だ。
その後ろには、蘭と粋奈がいる。
さてと、ここでこの3バカトリオを紹介しておこう。
まず歩の肩をつかみながら現れたのは、
綾川 緩奈 (あやかわ かんな)十二歳。小学六年生。
性格は、自己中心的。(かなり、的確な表現だと私は思う。)
そして、後ろにいる片方の
幸田 蘭 (こうだ らん)十一歳。小学六年生。
無口なほうで、表情は大体いつも、仏頂面。(仏頂面なのにすごいこといったりするから、かなり驚かせられる。)
で、もう片方は
幸田 粋奈 (こうだ すいな)十歳。小学四年生。
いつも歩並みに元気いっぱいの蘭の妹。(なぜか知らんがいつも休み時間になると六年一組の教室にくる。まったく、友達、いないのか・・・?)
「なにが面白いって・・・?」
歩の時以上に引いている私が言った。
「さっきの話よ!音楽室に入った瞬間に感じた寒気・・・。最高っ!」
何が!どこが最高だ!完全にホラーだろ!?
「そういえば・・・鈴香、霊感あるよね・・・。」
と蘭。
うっ。それは否定できないが・・・。
「だよね〜〜。前も何か視たっていってたよね!鈴香っち。」
だから、四年のくせに『鈴香っち』とか呼ぶなっ!(っていうか一番お前が友達の中でなれなれしい!)
「そうよ!そうゆうあんたが寒気がしたってんだからこの学校の音楽室にはなんかいるに違いないわっ!」
なぜかガッツポーズをして、緩奈。
「なっ、何をたくらんでるんだ!何を!」
ゆういつのツッコミの私がツッコミを入れた。(この無駄にテンションの高いグループの中に私1人ってキツイだろ・・・。無駄に疲れる・・・。)
「ねぇ、歩、蘭、粋奈・・・、こーゆー事なんだけど・・・・ごにょごにょ・・・。」
緩奈が私以外に、耳打ちする。(ムカツク・・・。)
「おぉ〜。」
「なるほど!」
「い〜ね〜。楽しそう。」
が、みんなの感想。上から蘭、粋奈、歩の順番だ。
「でしょ〜。ってことで鈴香。」
緩奈がニヤニヤしながら、私のほうを向いて、恐ろしいことを言った。
「今夜、この鈴蘭学校できもだめしをしまぁ〜す!」
はぁ〜!?
ども〜、銀風です。
私の小説に付き合っていただいて、ありがとうございます!
できれば、明日も更新しようかなぁ〜と思ってるんで、物好きな方、見てってくださいっ!