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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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短編集

ヤカンマンVS宇宙怪獣ユリーカ

作者: 巫 夏希

「きゃー! 助けてー!」


 黒煙が立ち込めるナゴヤ=シティを駆け巡る裸体の女子高生二人組! 彼女たちを追いかけるのは彼女たちのような百合でレズを好む宇宙怪獣ユリーカだ! 宇宙怪獣ユリーカは六本の腕を有し、その腕を二本づつ利用してそれぞれの女子高生を確保して強制的に連結させてしまう、恐ろしい怪獣なのである!


 ナゴヤ=シティは道が入りくんでおり、そうなかなか逃げることは出来ない。そしてユリーカは宇宙怪獣ながら十五年以上ナゴヤ=シティをねぐらとしているためか道は完全網羅している!


 即ち、女子高生裸体盛り二人組はあっという間に袋小路に追い込まれたのである!


「助けて……助けて……」


「もう無理よ……おしまいよお……」


 女子高生はお互いにお互いの身体に抱き付いて助けを乞う。それもまたそそられるシチュエーションであり、ユリーカのユリーカはそそり立っていた! ああ、恐怖! それを見た女子高生はこれから自分たちが犯されるのかという錯覚に陥るが、ユリーカはレズに興味があるのであって女性との性行為は一切しない紳士的一面も持っているのだ!


 そんな時!


「待て!」


 ユリーカの背後に立っているのはビニール袋を片手に持つジャージ姿の青年だった! 姿さえ見ればそれはただのニート! プータロー! ヒキコモリ! しかしながら外に出ている時点で彼はヒキコモリではなくフリーターなのかもしれない!

 だが、そんなこと宇宙怪獣ユリーカのユリーカがそそり立っている最中のチョウドイイトコロ的なユリーカには関係なかった!


「なんだあ! お前は! イイトコロを邪魔しやがって!」


 宇宙怪獣ユリーカは宇宙怪獣と名乗っているにもかかわらず十五年のナゴヤ=シティ生活の賜物で日本語をフルにコピーしているのだ!


「僕か?」


 ビニール袋を投げ捨てて、彼はそこに入っていたものを装備する……それは……!





 やかんだった!


「ヤカンマンだあああああああ!」


 ヤカンマン、渾身の叫び!


 だが宇宙怪獣ユリーカとユリ一歩手前のシチュエーション中の女子高生二人には意味不明!


 ヤカンマンだけがそのテンションに取り残される、何とも悲しい現実なのだった!


「……お前、何者?」


 宇宙怪獣ユリーカのユリーカもすっかりげんなりしてしまって、ユリーカは冷静になってヤカンマンに訊ねるのだった。宇宙怪獣が見てもヤカンマンの異様さは異常だった!


「僕か? 僕の名前はヤカンマン! ヤカンの星からやってきた!」


「ヤカンの星なんてねえよ!!」


 宇宙怪獣ユリーカ、渾身のツッコミ!


 お笑い芸人ですら躊躇う場所でも躊躇なくツッコミを入れるユリーカはお笑い芸人の鏡!


 だが、ヤカンマンは笑うだけだ! 何がオカシイ、ヤカンマン!


「はっはっは! 僕は正義の味方だ。君のような頭のオカシイ宇宙怪獣は倒すぜ!」


「いや……もういいわ」


 宇宙怪獣ユリーカ、ヤカンマンのテンションについていけずノックアウト!


 自分から姿を消していくユリーカをヤカンマンはただ見つめるだけだった!


 女子高生二人組は裸体と、その豊満なバストを無意識に見せつけながらヤカンマンに頭を下げ、同時に両方の頬にキスを交わした!


 そして恥ずかしそうに前を隠して、去っていった!




















 ありがとうヤカンマン! 今日もナゴヤ=シティの平和は守れた! 君のおかげだ!


 今日もヤカンマンはナゴヤ=シティの平和を守るため、パトロールを続けている!


 ……君の近くにも、ヤカンマンは居るのかもしれないッ!!

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