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黒騎士団  作者: 回旋曲
傭兵団編
10/13

第十話

表現力グダグダ、会話文多め。

「ほう、その『王女暗殺計画』に我が国が関与していると?」

 レインたちの話を聞いて、メレディスは顔をしかめる。

「ええ、そのガーネブレイズの誰かの仕業だと思います」

「確証はあるのかい?」

「いえ……確証は……」

 メレディスは不快な表情で問いかけるが、レインはそれに答える事ができずにいた。

「まるでこの国が無法国家だと言いたいような言葉だが……」

「そ、そんな事は言ってません」

 レインに代わりリノンが答えた。

「まあいい。で、その人物について調査すればいいのかい?」

「そうしてくださると助かります」

 今度はレインが答えた。

「わかった。調べがついたらこちらから手紙を送ろう」

 何とか『王女暗殺計画』の話がついたレインたち。魔王メレディスも暗殺計画を企む真犯人の調査に協力してくれる事になり、一時はどうなるかと思われる言葉を聞いたがこれでルリアに報告ができると安心するレインだった。

「それではこれで失礼します」

 用事が済んだため、レインは残る二人を連れて部屋を後にする。

「ねえ、何か凄い話になっていたりする?」

 何も知らないアーヴィンが二人に聞いた。

「あ、うん。さっき言ってた……」

「後で説明する」

「後でって……」

 リノンが話し始めようとした瞬間、いきなりレインが話に入って話を終わらせた。

 その三人が塔を下りるのを見送ったメレディス。だが、彼は不敵な笑みを浮かべた。


 昼頃に寄り道をして魔王と話し合いをした結果、時刻は既に夜になっていた。

「話が随分長くなったな」

「今日は泊まってく?」

 街の大通りを歩いて宿を探す兄妹ふたり。すると他人アーヴィンが話しかけてきた。

「宿探し? それなら僕の推しの宿はあの一角かな。部屋綺麗だし……」

「お前黙ってろ」

「僕に対して扱いが酷くないか?」

 何故か邪魔者扱いされるアーヴィンの推しで、その宿に宿泊する事になった。早速その宿で部屋を三つ借りてそれぞれの部屋に入る。


「疲れた……」

 レインは大剣を降ろしてベッドに横になる。この日は何もしていないが、日頃の疲れが溜まっていたのか、レインはそのまま目を閉じた。

 隣の部屋にいるリノンは武器の手入れをしていた。なんて立派なのだろうか。

 さらにその隣ではアーヴィンが魔導書を片手に読み進めていく。彼自身センスが無かったのか魔法を使えないが、いつか使えるのではないかと魔導書を読んでいる。なんて真面目なのだろうか。

 三人がそうしている間にも刻々と時間は過ぎてゆく。


 深夜、夜明けまでまだ時間が掛かる頃。ほとんどの人が眠りについているだろう。

 そんな中レインは、ふと目が覚めた。

(……何だ?)

 異様な気配を感じ、立て掛けて置いた大剣を手に取り扉へ向かう。扉の取っ手部分に付いている鍵を見ると、施錠したはずなのに解錠されていた。

(おかしい、掛けたはずだが……)

 レインは怪しいと思ったその時だった。

「きゃあああああああ!!!」

 突如悲鳴が聞こえた。それも聞き覚えのあるリノンの声だ。すぐに隣の部屋の前に行き、扉を開けようとするが鍵が掛かっていた。そこにアーヴィンもやってきた。彼も先ほどの悲鳴を聞いて助けに来たのだろう。

「今のって……」

「御察しの通り、ぶち破るか!」

 強行突破する事にしたレインは、部屋の扉に思いっきり蹴りを入れて扉を蹴り破った。その扉から二人は中に入った。

 部屋の中にはリノンとその目の前にフードを被った人物がいた。その人物の右手にはナイフが握られている。リノンは咄嗟に剣を構えていたようで怪我はないが、怯えている様子だ。

「何者だ!」

 レインはフードの人物に問いかける。

「暗殺者、お前たちを始末するためにきた」

 あっさりと自らが暗殺者と名乗った。声からして男だ。

 レインは問答無用で、その暗殺者に向かって大剣を振るう。攻撃はかわされたがリノンとの距離を離し、リノンの側に寄った。

「大丈夫か!?」

 レインの言葉に返事をすることができなかったリノンだが、頭を小さく縦に振ったのが見えた。よほど怖かったのだろう。

 だが会話をしている時間は一秒もない。暗殺者は躊躇ちゅうちょすることなく二人に襲い掛かろうとするが、アーヴィンが斧を振り降ろしたためさらに距離が広がった。

「ナイスだアーヴィン!」

 この狭い部屋どちらも近くもなく遠くもない距離で、迂闊に動けない。

「予想以上のやり手だな……機を改めるか」

 暗殺者はそう言って、すぐ近くの窓を突き破って外へ出た。

「あ、待て!!!」

 レインは割れた窓の外を見渡したが、既に暗殺者の姿は闇に消えていた。

 敵を見失ったレインは怯えるリノンの側に寄る。

「大丈夫か?」

 再度リノンに声を掛け、リノンは何も言わずにレインに抱きついた。レインはともかくリノンは今まで命を狙われるような出来事はなかったため、怖がるのも無理はなかった。レインは兄貴らしくリノンの頭を撫でてやった。

「何で襲われた?」

「わからない、だがまた奴が来るかもな」

 暗殺者の目的は何なのかはわからないが、襲ってこないとは限らない。これから自分たちの身は自分たちで守らなくてはと改めて実感した三人だろう。

 それにしても派手にやらかしたため、騒ぎを聞いて宿泊客たちが騒ぎ始めた。宿主を含む数人がこの部屋までやってきた。

「これはマズイね……」

「……だな」

 その後、二人はこの部屋の修理費用などを請求されたのは言うまでもなかった。

さすが兄妹愛。

あと部屋を滅茶苦茶にしたらちゃんと弁償しましょう。

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