第一話
はじめまして、私は「回旋曲」と申します。
今回執筆を開始した「黒騎士団」は私の処女作です。
小説を書くのは初めてなので、文章の表現がおかしい事があるかもしれませんが
「最後まで書く気持ち」が一番大事なので、それを忘れずに書き続けて行きたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
ジュリア王国の中心街の南に位置するギルドハウス。
室内には数十人もの傭兵がうろついている。
ギルドハウスにいる傭兵の殆どが厳つい男性たちで、とてもではないが話しかけるのは気が引けるだろう。もちろん厳つい人たちだけではない。
レイン・アルフォードは静かに、ギルドハウスの役員である男性が立つカウンターの前まで歩いた。
「これが今回の報酬だ、受け取れ!」
男性はレインに報酬である硬貨の入った袋を渡す。
「休暇の件だがお前たちの合う仕事の依頼がくるまでだからな!」
レインは男性の言葉を聞き終える前に退室する。すると髪を両側でまとめている若い女性が話しかけてきた。
「意外と早かったんだね」
外で待っていたのはリノン・アルフォード、レインの妹である。
「まあ報酬を受け取っただけだからな」
「で、今から中心街?」
「ああ今から行く」
レインはそう答えるとリノンは嬉しそうな顔をした。
リノンにとって中心街は夢のような場所で、街に行って買い物したり、買い物したり、買い物したりとレインにとっては財布の中が空になるのではないかと不安が残る。
「今回は買い物するために行くんじゃないからな」
この言葉を聞いたリノンは「え~!」と言いながらガッカリしたのは言うまでもない。
街へ行く理由はレイン宛に王女からの手紙が届いたからだ。
その内容は「王女暗殺計画の噂」についてで、レインは何か裏がありそうだと踏んで王女に会うために行くのだ。噂程度でと思うが結構本当だと言う話もあり、手紙をだしたのだろう。
それにしてもなぜレインにきたのかは後にわかる。
中心街。
いつきても賑やかな所だ。
中心街の中央には王家が住まう居城があり、その周りに露店や宿などが並ぶ大きな街である。
「久しぶりの中心街だな」
「まずは王女様に会うんでしょ?」
「ああ会いに行く。この手紙を門番に渡せば通してくれると思うし」
二人が会話しているとどこからか「泥棒!」と叫ぶ声が聞こえた。
前方を見ると果物を持っている少年が人を掻き分けながら走っているのが見え、こちらに向かってきた。
「いってぇ!」
「すみません!」
レインは少年にぶつかってバランスを崩すも、倒れずに立ち直る。少年は謝りながら後方へと逃げて行く。
「ったく、あのガキ……」
少々苛立ったレインはふとポケットに手を添える。
(……ない、財布がない)
どうやらあの泥棒少年に財布をすられたようだ。
「あの野郎!」
レインは財布をすった少年を追いかけた。
2012年10月24日 文章一部修正
2013年 3月15日 文章一部修正