波打ち際
頭の中を抽出しているだけの人です。
ざざーん。ざざーん。白い帯が迫っては引いていく海岸線。大小さまざまな足跡が砂浜を埋めていく。
「先生ー!このかいがらきれいー!」
「このガラスも可愛いー!」
無邪気に砂浜を走り回り、宝物を見つけていく子供たち。彼らの腕や足はぎちぎちと音を鳴らし、砂を懸命に駆っている。
「ほらほら、あまり砂を触っていると隙間に砂が入ってしまうよ」
先生、と呼ばれた大人はそんな子供たちを導き、砂の上に文字を描きだした。
「さあみんな、これはなんて書いてあるかな?」
「える、おー、ぶい、いー」
「Love!!」
「愛!」
「正解だ」
子供たちは文字を見てはしゃぐ。先生と呼ばれた大人の愛情をたっぷり受け、子供たちはぐんぐんと成長していくだろう。
先生兼医者である大人は思いを馳せる。この子供たちの健やかな未来へと。
楽しんでいただけていたら幸いです。