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9.夏の終わり

アタシはお母さんが好きだけど嫌い。

どうしても嫌いになれない所と、好きになれない所がある。


アタシのお母さんは、人間の中身に違うものを入れた人。というか、人間に見えるけど違うもの。超常的な力を神とか悪魔で表すなら、お母さんは神様か悪魔の類。


何かを捧げて願いを叶えたり、人の中身だけを消したり入れ替えたり、人の気持ちとか考えも見えるみたいだった。


この力でお祖母ちゃんと一緒になって、色んな人を好きに操っている。

どうしても好きになれないのはここ。


あんなに力があって自分の娘までいるのに「まだお祖母ちゃんと一緒に」って、所が好きになれない。


ただ、その「あんなにある力」が、どうしてかアタシにだけは通用しない。


アタシを操ることなんて全然できないし、考えてることすら、何なら顔色さえも分からないみたい。

実の娘なのに、だよ?

でも、ここがお母さんがどうしても嫌いになれない所。


そして、アタシはそんなお母さんの子供で、凄い能力を期待されてたけど、何の能力もなかった。

超能力なんて全然だし、勉強もスポーツも大したことなかった。

だから、って訳じゃなくて、お母さんからは距離を置かれた。

距離を置かれた理由は、アタシにだけ自分の力が通用しないから。

お母さんは誰にも本当のことを言わないけど、アタシには分かる。


アタシは小さい頃から、いや、最初からお母さんのことだけは分かる。

お母さんが何を考えていて、どこにいるのかも、体調とかも分かる。


物心ついた時に、この事に気がついたけど、お母さんは私を遠ざけていたから言えなかった。


そして、お母さんがお祖母ちゃんを違う人に入れ替えたり、お母さん自身が違う人と入れ替わったりしたのも、分かってる。

あの2人の欲望は底が抜けて、どうしようもない。服を着替えるように人間を入れ替えるなんて、狂ってる。


お祖母ちゃんに「お母さんの力がアタシに通じない」ってバレたのは、アタシが高校の時。

あのババア、アタシと入れ替えするつもりだった。

もう、怖くて気持ち悪くて家から飛び出した。

お母さんの力で唯一アタシは探せないから、隣の市で住み込みバイトしてるのに、見つかることもなかった。


それで、お母さんは今、アタシの友達の妹と入れ替えていて、お祖母ちゃんはアタシの友達の彼氏のお姉ちゃんと入れ替えてる。


アタシは友達が好き。ハルが好き。


だから、お祖母ちゃんの入れ知恵でハルと彼氏とその周辺を巻き込んだんだろう。

そうしたらアタシが出て来ると思って。

お母さんはアタシが何が好きかなんて分からないから。


アタシはお母さんが好きだけど嫌い。

他の人間とは気持ちの通わない人間大のカマキリだって、自分にそのカマキリと通じ合える力があるなら好きになるでしょ?

だけど、ハルと彼氏を捧げて、新しい信者を取り込んだのは絶対に許せない。


アタシは、お母さんはこの世界に生きていてはいけない者で、お母さんの命はこの世界にあっちゃいけないんだと思う。


あのババアとお母さんの、底無しの欲望を止めるのは、お母さんに唯一近づくことが出来るアタシの使命だとも思う。


アタシは決断と行動は早いから、明日には終わらせるつもり。





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