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神様のお楽しみ!  作者: 薫
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懲りない常習犯

おはようございます!

皆様に沢山読んでいただき、累計3000PVまで行きました!

ありがとうございます!(*^^*)

 カチャ……リン


 

 そぉーっと扉を開け、小さく鳴るベルに刺激を与えないよう、止める。

 ここの配置は頭にある為、軋みが少ない板の上を忍び足で進む。

 たどり着いた扉の鍵穴に、スペアキーの複製を差し込み回す。


 ようやく目的地に着き、ホッとため息を吐いた。前回、みーちゃんが犯した失敗はしない。出入口である扉は開けたまま。すぐに入手した物を持って逃走する。


 冷凍庫の一番下の段に狙いをつけて勢い良く踏み出した。


 ゴン!!


 「ぁ痛っ!」


 見えない何かに頭をぶつけ、後方へと倒れる。その人物を慌てて受け止めると、ガチャ…バタン!ダダダダッと、耳にしたくない音が上からまた聞こえて来た。

 すでに明かりは着いており彼らの到着を待つばかり。


 「ヴァイス、倒れている彼女が常習犯のアクロ・グランツです」


 「し、師匠ー。カイトさん来ちゃいましたー」


 スッと上体を起こし立ち上がった彼女の額はやや赤くなっていて、痛そうだ。彼女は先程頭をぶつけた場所を一目見て、寝間着姿の男性の方へ振り返った。


 「……誰、あんた」


 「師匠、カイトさんです」


 弟子に小声で言われてハッとした彼女は、再度確認して吹き出した。


 「カウボア…かわいいですね」


 カウボアの着ぐるみを寝間着としているカイトの姿に、彼女は吹き出したのだ。


 「兵を呼びますか?」


 「いや、いつものことだから大丈夫。ミーナさん朝食は?」


 「お願いします!あっお皿出しますね」


 お互い慣れたやり取りに困惑顔の青年ヴァイスは頭を抱えた。常識的に考えれば侵入は罪で兵に引き渡すもの。なのに彼女達は慣れた様子で接している。この国がおかしいのか、この店がおかしいのか…出た結論は後者だった。

 深く考えること止めた彼は、賑やかなその輪に加わった。




 「眠い……」


 「シュウ君、寝不足?」


 頷くシュウ少年の隣でカイトが理由を説明した。


 「アース様に新作料理を教わってたんですよ」


 「アース?今、アースって言った?!カイトあんた、アースに会ったの?!どこ?どこにいるか教えなさいよ!」


 素早くテーブルを回り込みカイトの胸ぐらを掴み、激しく揺すること三十秒程。頭を押えるカイトに同情しつつ、アクロの熱狂的な反応に引くことを覚えたヴァイスは、彼の代わりに居場所を言った。いや、言ってしまった。

 

 「アース様なら冒険者ギルドです」


 聞き終わってすぐ、朝食をそのままに駆け出して行く。あまりの速さに、弟子のミーナは追いかけることを諦め食べ進めた。


 「新作ってどんな料理なんですか?」


 「カウボアのすじ肉煮込みと言って、トロトロになるまで具材と煮込んでいて、絶品でした。少量のトウガラシとネギが良い辛味でしたが、ミーナさんにはまだ早いのでそのままが良いでしょう」


 「すじ肉がトロトロ……」


 「その代わり、出来るまで半日はかかりますけど」


 カイトの言葉にミーナはガックリ肩を落として、全身で落ち込んだ。


 これが彼女の素なのかとヴァイスは受け止めた。想像してたよりも賑やかで話題に尽きない店に、ワクワクした。シャイニーに話したい、この楽しい空間を伝えたい。

 彼がこの店に染まるのはそう遠くないだろう。

読んでいただきありがとうございます!



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