その頃のアーテル聖国
「報告します!王妃様の結界を突破し、魔物が国内に侵入。騎士団が戦闘しておりますが、襲撃して来た魔物が強力で歯がたちません!」
アーテル聖国の国王陛下の元に、次々と報告が舞い込む。この国は現在危険な状態で、展開された結界は弱く脆くすぐに崩れ去った。
光魔法の訓練を疎かにして来た罰が今、国を襲っていた。
アーテル聖国の周辺は元々、強力な魔物が巣食う場所だった。しかしヒスクの展開した上級魔法【退魔結界】が魔物を寄せ付けないとわかってから、建国と同時に騎士団は形だけの存在となり自衛の訓練もなくなった。今まで頼りきって来た【退魔結界】がただの結界になった。
そして、好機と判断した魔物が襲撃したのだ。
「えぇい、早く何とかせんか!王を守るのが騎士の役目だろうっ!」
ろくに訓練をせず、形だけだったハリボテ騎士団に対抗出来る戦力はなく、魔物の群れは徐々に城へと向かってくる。
そして魔物の群れは黒い波となって城に衝突した。
ドォォーーーーン!!
凄まじい衝撃が城を揺らし、天井から埃が舞い家具が倒れる。
「どうしてこうなった……」
額から汗という名の脂を流すガマガエルを見た騎士は、この国に生を受けた己の身を呪った。この国でなければ…訓練をしていれば…力があれば…と。それが彼の最後だった。
同じ部屋にいた国王陛下もまた、その命を散らした。
たった一つの魔法によって守られて来た国はもうすぐ終わる。
国が魔物の襲撃により崩れ去ったと、シャイニーが知るのは一年後の話。
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