第一章 閑話(アルト視点)
本日投稿小説、3/3話
同い年の少年に負けた。
その少年は、黒髪に少し幼さが残る顔立ちで、見たことのない瞳を持っていた。鮮やかな青に薄茶色、そして黒い瞳孔。少年の名はアースと言い、自分の瞳をアース・アイと言った。
この瞳は世界を表現している。
アースは当然のことのように、言っていた。
アルバ魔法学園は建国と同時に開校している為、アルバ王国同様歴史はないに等しい。あっても、青空教室だと父上は話していた。
学園には各学年ごとでクラスわけされていて、Sに近づく程授業内容はもちろん、クラスに入る条件も厳しいものとなる。実際にアースがSクラスに入るまで、全員で五人と教師一人しかいなかった。
四人が貴族で一人が王族の生徒に平民のアースが加わる。目に見える反発はなかったものの、侮る態度でいたのは問題だった。
生徒からみても理解出来る明らかな手加減。
訓練中の指摘。
同じ魔法での相殺。
決着の際には相手を上回る上級魔法。
心を折り、考えを改めさせるには十分だった。俺も体験したからわかる。
教師すらも生徒となり進む授業に、アース以外のSクラス全員が思っていたハズだ。
「アースが教師でいい」
その一言に尽きる程、目からウロコが落ちるくらい理解しやすい説明、知識、応用だった。
ポーション作成では、何故か爆発があったり、瓶が割れて近くの者が麻痺薬の餌食になることもあった。
訓練中の事故で涙する者や、叱られる者もいたし、一年の終わりに王城の庭でアースが夜空に向けて花火というのを打ち上げてもいた。敵襲と間違われもしたが、二回目には受け入れられていた。
そして迎えた進級試験で、試験官を務めた他のクラスの教師を驚かせ…いや青ざめさせる程の成長を全員が見せ、欠けることなく高等部に進級することが出来た。
アースは冒険科に進み、俺は国防科へとコースが別れる。
王族として、次期国王として勉学に励まなければならない。
覚えることは沢山ある。
わからなければアースに聞けばいい。
そこは皆、変わることがなかった。
読んで頂きありがとうございます(*^^*)




