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2話

二話だよ三話で完結予定

 赤玉は、桃太郎を連れ出しました。


「どこに行くの?」

鬼退治用の特部な材料を集めに行く、俺じゃあ掴めないからお前もこい」


 赤ちゃんに連れられて、桃太郎は様々な山の幸やキノコなどを集めました。


 それから二カ月後、大体の材料が揃ったところで、お爺さんたちに言いました。


「僕たちは、15歳くらいになったら家を出て鬼退治に向かいます。」


「僕たち?」


「15歳?」


 二人はキョトンとしています。


「違った・・・俺は三カ月後に鬼退治に行きます。それまでに、鬼退治に行く準備をして欲しいのです。」


 残りの準備を任せると、桃太郎は自分を鍛えまくりました。


「筋トレの効果が出るのは三カ月後といわれている。お前には当てはまらないが、筋力が最も発達しやすい時期でもある。死ぬ気で鍛えるぞ!!」


「ああ」


「お前の意思と体は、いつでも奪えるんだからな!わかってるな!!」


 そして三カ月後、桃太郎は仕上がっていました。

 

 身の丈175㎝体重70㎏、体脂肪率8%と、キレッキレの筋肉のカットです。


「やぺぇ、負けるきしねぇ」


 鍛えまくった自分の身体にうっとりです。


旅立ちの朝


「ほれ桃太郎や、この刀はお前の成人式様にと誂えておったものじゃ、いまめかしな成人式に日本刀はつきものじゃろ?」


 そういうとお爺さんは、銃刀法違反に引っかかるモノホンのポン刀と脇差を桃太郎に授けました。


「どうだい、着物はきつくないかい?」


 これから戦いに行くとは思えないほど派手な着物に、額には桃の印の鉢金を巻いています。


「食べ物はおにぎりと、キビ団子だけでいいのかい?」


 お婆さんが差し出した袋には、おにぎりと、日本一あやしいキビ団子が入っていました。


「では行ってきます。」


 桃太郎が出ていくと、お爺さんと紅は、姿が見えなくなるまで手を振っていました。


 二人の姿が見えなくなるとすぐに、桃太郎はその歩みを止め、話し出しました。


「さてと、ここからの計画を話し合おうか」


「あわてるなよ、もう仕込は済んでるんだからよ」


「っと言うと?」


「ほら、キビ団子があるだろ、あれを使うのさ・・・後は歩いて行けばわかるよ」


 ニヤリと浮かべたその笑みに、よくない予感しかしない桃太郎であった。


 首をかしげながらも、桃太郎が歩いて行くと、猿の群れに出くわしました。


「キーキキーキ」


 そのうちの一匹が、桃太郎によってきます。


「あ~すみません、うち冷やし中華はやってないんですよ・・・」


 桃太郎は、冷やし中華断りました。


「違うよキビ団子、臭いでわかるんだよ」


「あっやっぱり・・・」


「白いキビ団子をあげるんだ、いいな、白いキビ団子だ」


 なんか怖い指示だなと思いながらも、白いキビ団子を猿に与えました。


「キーキキーキ―・・・グッ・・・」


 猿はキビ団子をのどに詰まられました。


「お茶、持って来ればよかったな」


「飲めないよどのみち」

 

 桃太郎が軽く蹴りを入れると、ゴクンと猿は丸呑みしました。


「ももてろさ~んキヴィドゥアングゥとお茶くドゥさ~い」


 猿なのに、なんか奇妙な訛りとともに語ってきた・・・ゴクリ・・・


「今、猿が食ったのは進化の実だ、とりあえず人間の仲間が欲しいだろ?」


「進化の実?」


「もう一つって感じだな、やりなよ」


 もう一つ白いキビ団子を取り出すと、猿に食わせた・・・すると・・・


「まったくぅぅぅまったくぅぅぅぅぅまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったくまったく!!!サイコォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」


 軽めの発狂寸前の絶叫とともに、猿の身体が変化していく。


「おぉ、こえぇぇ」

 

 桃太郎は普通に引きました。


 こうして猿が進化したものが仲間になりました。


「桃太郎様、服ないの服?」


 顔を見合わせると二人は


『ないな』


 ハモりました。


 桃太郎と猿の進化した全裸のMEN,S(以下ラーメン)が道を進んでいくと、野良犬がいました。


「次は赤のキビ団子だ」


「はいよ」


 赤いキビ団子を食べると、犬が暴れだしました。


「今度のは何?」


「強化の実だ」


「普通っぽいね」


 そう言いながら犬に目をやると、その体がメキメキバキバキと音を立てて変化していきました。


「口?アゴ?体に対してデカくない?」


 異常にアゴと歯の発達した犬が出来上がりました。


「身の丈が、俺を縦に噛めるくらいあるんだけど?」


 赤玉に目をやると・・・


「鬼とやるんだぜ、このくらいでなくっちゃ♪」


「ですよね~」


 なんだか納得した。


 ラーメンと犬をお供に加えさらに先に進むとつがいの雉がいました。


「きゃん、きゃんきゃん」


「あっ・・・」


 チワワよりかわいい声で吠えながら、派手な色の方を犬が食べてしまった。


「どうする?派手な方がオスだよね」


「まあ、メスでもいいんじゃない?緑ね」


 茶色の地味な方に緑のキビ団子を与えました。


「緑はなんなん」


「緑は退化の実」


「退化?」


「鳥の先祖は始祖鳥、始祖鳥の祖先は恐竜だ、それを強化する。」


「そっそう」


 見た感じは、恐竜を超えた怪獣に見えるけど・・・っと桃太郎は思いました。


「キミはキビ団子食うなよ」


「こんなこえぇの食わねぇわ」


 目の前では、怪鳥雉がバサバサと羽ばたいている。


「ところでコレ、どうやって連れて行くの?なんだか知性を感じないんですけど」


「・・・ラーメン乗れよ」


 赤玉は無茶ぶりしました。


「いいですよ」


 ラーメンは超軽かった。




 小一時間後、暴れる雉をなんとかてなずけました。


「これで少なくとも股間は隠れたな」


 桃太郎は親指を立て言いました。


「ああ、まだ他は裸だけどね」


 ラーメンは中指を立てて返しました。


 こうして仲間を手に入れた桃太郎は、鬼が島を目指すこととなりました。

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