↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウルトラミラクルスーパースター  作者: 録宮あまね
Ⅰ.ミステリー月間〈Sep.〉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/42

Ⅰー2.『理央様』

「茅野(かやの)先輩、聞いてくださいよー。やりました!! ウルスタのコンサートチケット、とうとう手に入れました!! 私の持てるありとあらゆる人脈を駆使しまして、それで結局手に入れてくれたの誰だか分かりますか?」


 職場に着くなり、清水(しみず)さんは息もつかずにそう言った。

 わたしを茅野先輩と呼ぶのは、後輩の中でも彼女だけだ。

 彼女の凄い勢いに圧倒されて、わたしは後ろのめりになりながら首を横に振る。


「意外にも、86歳のうちのじいちゃんだったのです。このためにじいちゃんは長生きしてくれていたのですね。有難いです!! 感謝です!! 私、リアルな理央(りお)様が見られるんですよ!! もう本当に夢みたいです!!」


 感激のあまりか興奮のあまりか、彼女は自分の両手を握りしめ上下に振った。

 それと同時に彼女の瞳が潤んでいく。

 おじいさんの存在意義については突っ込みたかったけど、ここはあえてスルーしておこう……。



 ウルスタ?

 ウルトラミラクルスーパースターを省略すると、ミラクルとスーパーはあっさりと消えてしまうらしい。

 昨日思い出せなかった彼の名前が分かって、少しだけすっきりした。


 『理央様』

 ……そういえば確かそんな名前だった。

 考えてみればウルスタ=『理央様』なわけで、彼は名前が二つあるようなものだ。

 すごく不自然だと思う。

 よく分からない……。数多に居るであろうファンの皆様は、彼の名前についてどう思っているのだろう……?


「コンサートは来月なんですが、私、桐原(きりはら)さんと行ってきますね。茅野先輩には限定グッズを買ってきますから、楽しみにしていてください」


「え……あ、ありがとうございます。それでその桐原さんは、まだ会社に来てないみたいですけど……」


 桐原さんは、清水さんと同期の女子社員だ。彼女も同じ部署の後輩にあたる。

 桐原さんが遅刻ぎりぎり常連組の清水さんより遅く来ることなんて、まずあり得ないことだった。


「あ、今日は休むって言ってました。昨日このこと電話で彼女に伝えたら、興奮のあまり熱が出てしまったらしいです」


「え?」


 思わず間抜けな声を出してしまう。

 確かに桐原さんは、元々体が丈夫な方ではない。

 けれど、普通そんなことで仕事を休んだりはしないだろう。

 桐原さんより、そこまでの影響を与える『理央様』が普通じゃないのかもしれない。


 ウルトラミラクルスーパースター。

 その大仰な名前は名ばかり……ではないようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。