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Rhapsody in Love 〜約束の場所〜  作者: 皆実 景葉
8 体育大会のハプニング
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体育大会のハプニング Ⅳ



 9月初旬の全県模試が終わると、次は10月の初めに行われる前期の期末考査が待っている。


 私立の推薦狙いの生徒たちは、この考査の成績が指定校推薦の指名を受けるための判定にも、通常の推薦入試の調査書にも反映される。(※)



 もちろん、この考査だけが判断材料ではなく、課題の提出なども考慮され、1,2年生時の成績も関係してくるのだが、やはり最後の判断材料となるこの考査の意味は大きかった。

 なので、生徒たちは最後の悪あがきをしようと、途端に真剣に授業を受けるようになった。


 2期制を取り入れてから、定期考査の範囲が長くなって、生徒たちには負担には違いないが、それを嘆いていても始まらない。とにかくやるしかない。




 みのりは授業は進めながら、考査対策のためのプリントを、何枚も作成して配布した。



「先生!このプリントやっとけば、点が取れる?」



 ありきたりな質問をする子が大勢いる。



「これとまったく同じ問題を出題するわけじゃないから、やっとけばバッチリ!とは言えないよ。授業プリントを見直して、この問題をやって知識の定着させて、その知識を使えるようになっとかないとね。」



 訊かれるたびに、みのりはそう答えた。



「今回の試験範囲は、大正・昭和で覚えることがたくさんあるから、今の内からしっかり準備して頑張るんだよ!」



 そして、必ずそう付け足して、激励することを忘れなかった。



 遼太郎の個別指導も、定期考査の勉強ではあえて特別なことは必要がないと、みのりが判断し、遼太郎は定期考査が終わるまでは考査の勉強に専念することになった。


 個別指導がなくても毎日授業でみのりには会えるのだが、なくなれば生活の一部が欠け落ちたように、それはそれで物足りない。




 そのうち、9月も下旬になり、文化祭と並ぶ大イベント、体育大会が行われる。

 芳野高校の体育大会は、特段事前の練習が行われるわけではなく、2日前くらいにリハーサルがあり、あとはぶっつけ本番となる。




 体育大会では、みのりは一応救護の係に割り振られていたが、主だったことは養護教諭の先生がしてくれるので、人手が足りない時は手伝いをすることになっていた。


 とりあえずポロシャツとハーフパンツという運動スタイルをしていても、競技の間中、何をするでもなくテントの中から観覧していた。



 芳野高校は1学年9クラスあるので、3クラスずつ、白・赤・黄に団分けされている。

 いつもは白のソックスしか履けない生徒たちだが、今日は自分の属する団の色のソックスを履ける。1年5組の生徒たちも、どこで見つけてくるのかみんな揃って真っ赤なソックスを身に着けていた。



 午前中の種目は、100m走や200m走、400m走、800m走、おまけに3000m走と、陸上記録会かと思われるような競技が目白押しで、頑張っている生徒たちには悪いが、みのりは大きなあくびが出るのを抑えられなかった。



 唯一楽しめたのは、「両手に花」という競技。

 これは、男子1人に女子が2人で3人4脚をするもの。文字通り両脇に女の子と肩を組んで、足を縛られて走るという、男子にとってはおいしい競技だと思ったのだが、1年5組の男子の一人はこう言った。



「そりゃ、かわいい女の子ならいいだろうけど。これじゃ、拷問だ…」



 午後の最初は、応援合戦。応援団とチアガールたちの花の舞台となる。

 この日のために、暑い中2か月間練習を積んできた生徒たちは、それはもう充分に気合が入っていた。どの団も趣向を凝らしていて、見ていて飽きないほど楽しめる。


 男子の中には、他校の友達から借りてきたというすごい刺繍の入った丈の長い学ランを着てたり、逆におへそが見えるくらいに丈の短い学ランを着ていたり、衣装だけでも話のタネになる。失敗は許されない1発勝負なので、どの子もみんな真剣だった。



 応援合戦の後は、これもまた盛り上がる部活動対抗リレーだ。


 まず、文化部のリレーが行われるのだが、その部にちなんだ服装をし、その部ならではの道具がバトンとして使われる。

 筝曲部は、浴衣を着て、飾り用の小さな琴を持って走ることになっている。なので、筝曲部の子は応援合戦など見る間もなく、懸命に浴衣に着替えていた。科学部などは、白衣にフラスコを持って走っているし、これもなかなか面白かった。





(※進学する大学や在籍する高校により、状況は異なります)

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