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プロローグ 赤

やっぱり神様なんていないんだ                             



残酷な赤色で染まった手を見ながらそう思った。


赤いライトが周りを照らしサイレンの音がしばらく鳴っていたと思うけど、私には違う世界で起こっていることの様に思えた。


心配して声をかけて来る人も居た気がするけど、あまり覚えていない。


フィルターがかかっているようで、ちゃんと目が見えていなかった気がする。

耳を塞がれていたかのように、ちゃんと音を拾えていなかった気がする。



「気がする」とか曖昧な記憶だけど、でも、確実に起こったことなんだ。



ただ、それだけははっきり覚えている。






それと雪の積もっていたとても寒い日だったということも                      



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