A‐2
さっき会った男、Bの提案で探索をすることになった。他にも人がいるかもしれないし、この世界を知るいい機会だ。
Bはテンションが高く声も顔も幼いので間違えるが、年上だった。こんな性格だが仕事はできるらしい。
「女の子とかいないかなあ!」
「しゃべるの苦手なんだけど。」
「そんなこと言ってるからさー、」
最初は持前のコミュ障を発揮し、続く会話もブツブツに切れてしまっていたが、好きなゲームの話で盛り上がり、普通に話せるようになった。
さて、行くあてもないのでさっきから浜辺を歩いているわけだが、何も見えてこない。景色は相変わらず四角のまま、何か特別気になることもない。今いる場所が島なんだとしたらとても広いんだろうか。
「俺ちょっと走ってくる!!!」
Bが勢いよく駆けていった。他にも誰かいるなら早く見つけたいのだろう。一生懸命足を動かす様子を見るのは、まるで保護者になったようだ。
Bの姿が小さくなって見づらいが、こちらに大きく手を振っている。早く来てみろということだろうか。
楽しそうにするBにつられて思わず走った。走るのが苦手なことも忘れて急いで向かう。
だんだん近づいてくるBの後ろに何か灰色のものが見える。
足を止め、息を整えながらもう一度確認すると、それは建物のようだ。ドアが付いている。
Bが目を輝かせながらドアを開けた。開けたまま動かない。どうしたのか、と後ろに立ってみると何かを突き付けられている。これは、剣か?
「え…っと、」
「おお、人か。すまん。」
僕らより若い男が顔色一つ変えないまま剣をしまった。高い声で間違えたわ、と頭を掻く。一方Bは未だ固まったままだ。
「だからけんかまえるのやめろってー。」
「うるせえ用心してんだ。」
上からもう一人降りてきた。こちらも年下のようだ。
「残りの二人か。」
「そうみたいだね。」
若い者同士で話を進めてしまって、全く状況がわからない。
残り?なぜ残りの人数を知っている?この二人には聞くことがたくさんありそうだ。流れで自己紹介でもすることになるだろう。
空はすでに赤らみ始めていた。




