B-4
俺のかっこいい決め台詞。
さすがイケメンだね!
村長は何も言えずに厳しい顔をしている。
その様子がおかしくって思わず顔がにやけちゃう。
「さあ、早く白状してよ。」
お前の悪事を。
ここでもう一押し!
推理小説の主人公になったつもりで村長を追い詰める。
ああ、こんな感じの俺を、演じてみたかった。
「………よくぞ見破った。」
優越感に浸っていると、それまで黙っていた村長が急に口を開いた。
なんとなく不気味だ。
「お主らの記憶も戻してやろう。」
村長の言葉で、今まで忘れていた四角い世界や、幽霊の世界のことを、すべて思い出した。
俺…俺たちが感じていた既視感の正体がやっと明かされた。
何か忘れてると思った。
何で忘れてたんだろ、こんな大好きなこいつらのこと。
「世界が終わる時じゃ!」
しんみりとしていると、急に村長が叫んだ。
それに続いて村人たちも歓声を上げる。
世界の終わりと聞いてこんなに盛り上がることはない。
ホントに不気味。
「みな、その身を神に捧げよ!!」
また歓声が上がる。
急展開すぎて頭がついていかない。
でも、Cの叫びでそんなこと言っていられない状況だって理解した。
「おい…あれ…!」
広場の南、家を抜けた先、海のある方角。
そっちから、何か大きな影が迫ってきていた。
「あれって…。」
つなみだ。
Dの言葉を聞いて顔から血の気が引いた。
よく見ると、その影は水でできている。
テレビでも見たことのない大津波だ。
こんな大災害、東京にいた俺らは経験したことがない。
「に、逃げよう!!」
Aの言葉で我に帰り、弾けたように走り出した。
振り向く前に、村人たちが指を組んで祈る様子が見えた。
みんな嬉しそうに安らかな笑みを浮かべている。
犬たちが恐れ吠えるのも気にせずにだ。
狂気を感じた。
「気にすんな走れ!」
Cの焦る声が俺の足を前へと進めた。
運動の苦手なAも、全力で走り俺のスピードについてくる。
Dの青かった顔が更に青くなっていた。
全員が全員、必死だった。
「楽しかった?」
あの女の子の声が悲しそうに響く。
それに答えるのにも必死だった。
「楽しくない!虚しかったよ!!」
女の子は寂しそうに返事した。




