表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/50

A-4

次の日、犬の鳴き声は聞こえなかった。

爽やかな目覚めに気分良く伸びをし、広場に向かう。

犬たちのじゃれ合いに足を取られながら、中心に立つDへ近寄る。


「早いね?」

「うん…。」


返事は小さいが、Dがここにいるといことは、Bの作戦が上手く機能しているということだ。

それならば、このゲームが今日で終了し、この世界からも脱出できるということ。

ああ、清々しい。


「やっほー。」

「よう。」


残りの2人も、欠伸をしながら歩いてきた。

あとは村長たちを待つだけだ。


「…。」


和気藹々としている中、Dだけが喋らない。

いつも通りと言えばいつも通りだか、何か顔色が優れないので少し心配だ。

話しかけてみても、唸るだけで詳しくは話してくれない。


村長たちが来てからもDはほとんど喋らなかった。


「話し合いを…。」

「ちょっと待った!」


村長の切り出しをBが遮った。

探偵のように、手を顎に当てニヤリと笑う。

初めて会ったときから思っていたが、この顔、完全に悪役の顔だ。


「わかったよ。人狼の正体。」


その言葉に、村長は眉を潜め、村人は小さな歓声を上げる。

雰囲気を味方につけたBはそのまま話を続ける。


「容疑者7人の中に人狼はいない。」


Bの言葉に、疑問と動揺の声が上がった。


「実際、1ゲーム目は勝確の選択で負けた。誰も嘘を吐いてないのに、だ。それはこのゲームで証明した。」


得意げに話すBはいつもより頼もしかった。


「じゃあ、人狼は誰なのかってことになるけど、それも昨夜のうちに絞り込めた。俺らが吐いた嘘を、人狼は聞いていた。つまり、俺らの仕掛けた罠に見事引っかかってくれたわけ。」

「待て。」


話に水を差したのは村長だ。


「昨日までの会話で、人狼がお主らの嘘を見抜くことはできたであろう。」

「それは無理。だって俺ら役職のことなんか話し合ってないもん。」

「ではどうやって処刑する者たちを決めていた?」

「打ち合わせしてない奴を処刑してただけだよ。」

「ではそのピアスの者の嘘を突き通すために3人を殺したというのか!」


村長の怒声に辺りは静まり返った。

僕とC、Dは言葉を無くしていた。


「村長、何でCが嘘吐いたって、知ってるの?」


Bの笑みが濃くなる。


「そ、それは…。」

「俺らとしか言ってないのに、よくわかったね?」


何で、と笑顔で詰め寄るBに恐怖を感じた。

僕が村長じゃなくて良かったと他人事のように考える。


「き、聞いたのじゃ!」

「誰に?」

「村の者じゃ!!」

「じゃそいつ連れてきてよ。人狼だから。」


村長は焦っているのか、汗をかき始めた。

対してBは貼り付けたような涼しい笑顔だ。


「わ、わしは…。」

「もう言い逃れできないよね。」


「だいたいこのゲームを仕切っていたのは誰だ。」

「あの7人を選んだのは?」

「処刑を執り行っていたのは?」


Bは追い詰めるように言葉を紡ぐ。

口を挟む間もなく様々な疑問をぶつける。

そして最後に、ゆっくりと手を前にあげ、村長を指差した。


「人狼はお前だ。」


Bの笑顔が消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ