A-3
3ゲームめ、僕らが反撃をする。
狼煙を上げたのはB。彼の作戦は、少し難しいが、とてもシンプルなものだった。
いいカードが回ってきてほしいものだ。
「それではゲームを始めます。」
村は相変わらず人狼のことで騒がしい。
誰もかれもが他人を疑い、協力しようとはしない。
そして選ばれた7人を睨みつけ何かコソコソと話し合っている。
「さあ、いこうか。」
Bの言葉は、喧噪の中でもはっきりと聞こえた。
CとDにも聞こえたようで、2人と目が合う。
お互いに首を縦に振り、声を張り上げている村長へと視線を戻した。
日が暮れてきたため、全員自分の家へ戻っていく。
もちろん僕らはあのボロ家だ。
「夜か…。」
今更ながら不安になってきた。
というのも、Bの考えた作戦にはある条件が必要となるんだ。
その条件が揃わなければ、何度もこのゲームを繰り返さなければならない。
この1回で終わってほしいのだが…。
「頼むよ…。」
指を交差し、額に当てる。
自分の運を信じたってしょうがない。
それは自分の中にあるものじゃない。
運、とは結局自分の実力でも何でもない。僕はそのことを知っている。
だから、信じてもいない神に祈ることしか、できないんだ。
「……。」
固く握った手からは血が出そうだ。
自分の職業を全うすることも忘れそうになるくらい、思考が停止していた。
翌朝、あの犬の鳴き声が聞こえ、飛び起きた。
逸る気持ちを抑え、広場へと向かう。
すでに到着していたBとCの怪しい笑みを見て、安心した。
無事、決行できるらしい。
後から来たDも、僕らを見て、のんびりと欠伸をした。
「がんばろう。」
「いっちゃおうかー。」
「さっさと終わらせよう。」
「うん。」
やっと、この世界から抜け出せるんだ。




