B‐2
会議の途中、大男がジョンを引きずってやってきた。
「やめろ!離せ!」
乱暴な扱いに抵抗し、俺達の前で解放されると、飛びついてきた。
「俺は何もしてない!ホントだ!!」
必死に命乞いをしているその姿を見るのが辛くなってきた。
目を逸らそうとしたところで、村長が声を荒げた。
「この男を処刑せよ!」
みんなの視線が村長に集まった。
「ちょっと待てよ、話し合いはまだ終わっちゃいないぞ。」
Cが反論し、村長を睨む。
「話し合いに意図的に参加しなかったのなら、こやつが人狼の可能性が高い。」
「それはちょっと浅慮じゃねぇか。占い師や狩人の場合も考えろ。」
「疑わしい人物は処刑した方が得策じゃ。」
「人狼を当てるより、身内当てる確率の方が高いんだよ。」
Cがイライラしながら反論する。
どちらも引かないため、会議が長引きそうだ。
「そんちょうは、このひとをころしたいの?」
Dの一言で、周りが静かになった。
Cも村長もDに驚き、言葉を失くしている。
「はなしあいのいみがないよ。」
妙に落ち着いた口調が、少し怖かった。
今まで何も意見しなかった分、その言葉が重く聞こえる。
「…わかった。もう少しだけ待とう。」
Dのおかげでその場は何とか収まったが、結局処刑されるのはジョンに決まった。
「B、」
家に帰ろうとした時、珍しくAが話しかけてきた。
「どしたの?」
「いや、何か、このゲーム、変かなって。」
「Aもそう思う?俺もおかしいなーって。」
「前回ゲームで、ちょっと違和感があったんだ。」
やっぱり、おかしいと思ったのは俺だけじゃないんだ。
さっきのゲームを見る限り、このゲームはフェアじゃない。
でも、それを見破るには何かきっかけが必要なんだ。
「とりあえずこのゲームは普通にやろう。何とか策を練ってみる。」
任せといて、とウインクすると、不安そうな表情が控えめの笑顔になった。
僕もがんばるよ、Aはそう言って自分の家へ戻っていった。
さあ、俺がやるべきことは何か、考えろ。
先ずは…情報の整理だ。
「なにもおこらなければいいのに。」
すれ違いざまに聞こえたDの一言に、勝手に責任を感じた。




