C-1
ここは寝心地が悪い。
そう思いながらあまりのうるささに目を覚ました。
アラームのサービスまでついてるのか。ここはいいところだな。
イライラしながら鳴き声のする方へ向かうと、そこにはすでに3人の人物がいた。
一緒にルール説明を聞いた3人だ。
その中心には夕方、オレ達同様疑われた男が血塗れで倒れていた。
瞬時に3人を睨むが、慌てようや返り血の無いところを見ると犯人はこいつらじゃないらしい。
暫く黙っていると、残りの2人もやってきた。
他の村人は来ない。これだけうるさいというのに。
「何があった。」
声をかけると、他の3人は黙って死体に目を向けた。
言わずもがな、とういうことだろうか。
人狼というものが存在する。
信じたくはないがな。
いつの間にか出ていた汗が首に流れた。
「…取りあえず、全員夜に何をしてたか教えて。俺はDとずっと話してた。」
「ぼ、僕はあのあと箱を開けてからすぐに寝たよ。特にできることもなかったし。」
「オレはこいつと駄弁ってた。」
死体を指差す。
こいつはジョンという名前で、オレの隣の家にいた。
どうするかなどを話し合い、日が暮れてから帰っていったはずだが。
オレが寝ている間にこうなっているとはな。
「俺はずっと星を見てた!」
「私は寝ていました。」
全員言い終わったわけだが、この時点でアリバイというものがないのは3人。
こいつらが怪しいわけだが…。
(金髪と小さい奴も怪しいか。)
オレとジョンの役職は共有者。
お互いの身分を白であると証明できる役職だ。
そのほかには何の情報も入ってこないが、うまくいけば使えるものだ。
「何事か!」
村長がやってきた。今頃のこのこと、まあ悠長だな。
犠牲が出たことを伝えると、すぐに
「処刑するものを決める!」
と言ってオレ達に話し合いをするよう指示した。
「俺狩人だから殺さないでくんない!?」
金髪…さっきBとか名乗ってた男が叫んだ。
こいつ、嘘つくの苦手そうだな。
となると小さいの、Dだったか?そいつも白だろう。
人狼が2人いるなら話は別だが。
その可能性は低いとは思うが。
結局処刑されるのはメガネの奴に決まった。
喚き、暴れ、逃れようとしていたが、でかい男2人に取り押さえられさすがに観念したのか大人しくなった。
処刑は広場で行われるらしいが、オレを含む5人は見に行かなかった。
次は自分の番だということを自覚したくないのかもしれない。
また夜がやってきた。
何もすることがないため、もう寝てしまおうか。
外で何か物音がしたがそんなの知るか。
もう寝てやる。
そう不貞寝したわけだが、またあのけたたましい朝がやってきたらしい。
この村にあれだけの犬がいることが謎なんだが…まあそこは大人の事情というわけだ。
「おい。」
広場に向かうと、昨日Aと名乗った男が立っていた。
驚いたような表情のまま硬直している。
声をかけると、視線は地面に向けたまま口を開いた。
「…僕らも、死ぬんだね。」
眉間に皺を寄せながら視線を移動させる。
そこには、予想通りだが、想像とは違うものが落ちていた。
「おいおい…てめえが死んだらダメだろ…。」
犬に吠えられているその血塗れのカードには『B dead』と書かれていた。




