D-4
Cの言葉とともに周りが崩れ始めた。
というか、剥がれ始めたと言った方が正しいかもしれない。
壁も空も長方形に区切られ、どんどん捲れていく。
まるで写真みたいだ。
剥がれた景色は全て底の見えない闇へと落ちていく。
もしかして、また世界が変わる?
「デジャブだ。」
「だね。」
あわあわと口を動かしているAとBを無視して話すCとおれは、ある意味冷静なのかもしれない。
「これ落ちるんじゃない!?落ちるんじゃない!!?」
「大丈夫!きっと羽生えるから!!I can flyだから!!」
とりあえずうるさい2人を落ち着かせて、また4人で駄弁る。
特に世界のこととか、元の世界に戻る方法とかについて話し合ったわけじゃない。
ただ、自分たちが話したいことを自由にしゃべってただけ。
Aはゲームのことだし、Cは観光名所の話だし、おれは猫の話だし。
Bなんて適当な合いの手をいれてただけだし。
まあそんなグダグダな雰囲気も楽しいからいいけど。
「あー、あんな旧式のカメラ使ったことなかったからなー、結構楽しかったわー。」
たぶん、Cにあの女の子が話しかけてるんだろう。
Bじゃあるまいし、急に独り言を言う奴ではないから。
「楽しめたけどさ、もっと綺麗で、心が癒されるような景色撮りたい。」
剥がれる1枚1枚を眺めながらCが静かにしゃべる。
もう壁と地面だけか、と思っていたら、
「あ、あれ見て!」
Bの言葉に反応して上を見ると、さっきの世界で見たような、言葉では言い表せないような銀河が広がっている。
「あーこんな景色とかねー。」
カメラがいつの間にか消えてしまっていたのを残念そうに思っているのか、手だけを構え、シャッターを切る仕草を見せた。
ホントに好きなんだな。
ついに地面が崩れ始めた。端の方からペラペラと捲れていく。
周りが崩れた時よりスピードは遅いけど、その遅さがじれったいというか。
「次の世界もがんばろうよ。」
「俺のハイテンションで全部解決するってっ!!」
「まあ、いつ戻っちまうかわかんねえし楽しくいこうぜ。」
「よろしくね。」
若干絆が深まった気がする。
これが吊り橋効果か。
考えている間にも地面は崩れ、後は乗っているとこだけ。
そこも4つに区切られ、捲れて落ちていった。
体が宙に一瞬宙に浮き、そして一気に急降下する。
…感じがした。
次の瞬間、雷に打たれたような衝撃が走った。
痛くはない。でもあまりの強さに、頭がクラクラする。
どうやらイスに座っているようで、腕を動かすと肘置きにあたった。
俺は誰かと円卓を囲んでいるようだ。
人間らしき影が3人見える。
中心には黒い仮面をつけ、白いローブを纏った背の高い誰かが立っている。
そいつは、低いのか高いのかわからない声でこう告げた。
「ゲームのルールを説明します。」
いきなりのことに、何か嫌な予感がした。




