B-3
セピア色の視界でただひたすら歩く。
行先もわからないまま足を動かし続ける。
思考はぼんやりとして定まらない。
俺の頭は壊れた?
「ぃ…ぉい!……おい!!」
「え?あれ?」
「だいじょうぶ?」
CとDが突然現れた。
一緒に目が覚める。
「おまえ、何かボーっとしてたぞ。」
Cがカメラのフィルムを足しながら淡々と言う。
こっちを向いていないけど、寄せられた眉から心配してくれてたのがわかった。
ほんといい奴。
「…そんなのしてた?」
「ん…あれ?」
右手の薬指に見知らぬ指輪がはまっていた。
特徴的なのは、中心の真っ白な宝石…これはオパールかな?
アクセサリーには興味あるけど、これは女の子がつけた方が似合いそうだ。
首を傾げていると、Cが思い出したように、これ読んで、と一冊の書を渡してきた。
器のことが書いてあったやつみたいにすごく古い。
「えーっと…巫女に選ばれた娘は器とともに身を清め、全ての『念』を納めるために…だね。」
「つづきは?」
「切れてるから読めないなー。」
「字、薄れちまったのか。」
ずいぶん昔のやつっぽいしね。
劣化しちゃってて、黒いのは見えるけど、字としては全く読めない。
全部わかれば呪いを解くヒントになるのに…。
「解読してみるけど、期待はしないでね。」
書とにらめっこしながら、2人についていく。
階段に気づかなくて足をぶつけた。
教えてくれたっていいじゃん!
一旦書から目を離し気を付けて上ると、踊場もなしにいきなり扉が現れた。
不思議な模様が書いてあって、ちょっと小さめ。
俺、頭ぶつけそう。
「この先が渡り廊下だな。ここ通れば儀式の間に行けるはずだ。」
開けると冷たい空気が一気に流れ込んできた。
雪降ってる!!来たときはそんな様子全然なかったのに!!
わぁー、ちょっとテンション上がっちゃうねー。
渡り廊下の先は、外から見えたように行き止まりになっている。
壁の真ん中に五角形のくぼみがあるから、ここに何かはめ込めば道が開けるのかな?
「お?」
カメラが反応したようで、Cがシャッターを切った。
写真には中庭(?)が映っている。
1番大きな木の下に五角形のエンブレムみたいなのが落ちている。
それをここにはめろってこと?
「…そういえばAは?」
「「あ…。」」
言われて気づいた。あいつがいない。
2人とはぐれてからの経緯を話すと、Cが難しい顔になる。
「その白黒の女、これが効かねえんだよな。」
え、じゃあ逃げ切らなきゃいけないってこと?
Aは結構バカなとこあるから、写メでいけるとか思ってるんじゃないかな。
すっげー心配になってきた。
「捜索する?」
「えー。きたみちもどるの?」
「あいつなら死なないだろ。」
結構酷いけど俺も一瞬そう思っちゃった。
うん、たぶんあいつなら問題ないよね。
運強いしさ。
「中庭行くか。」
肩に積もった雪を払いながら、Cがため息をついた。




