B-2
人の体温ってあんなに熱いものだったっけ。沸かしすぎた風呂のように、触れただけで火傷してしまいそうなくらい女の子の手は熱かった。
温もりとは言えない。
目が覚めたら見知らぬ部屋に倒れていた。
倒れていたというよりも、寝かされていたと言った方が正しいかもしれないけど。
ここはどこだろうか。
他の部屋に入ってみたりしたけど、調べたことのないところばかりだ。
「…どうしようかな。」
人前じゃあまり見せることのない無表情で少し考えるけど、動いてみないことには何も起こらないみたいだ。
「何これ?」
机の上に紙があったのに気付く。これは古文ではなく現代語で書かれている。さっきの書よりも新しいということかな。
誰かの日記のようだ。
さっき知らない人と会った。茶色の髪の人。
村の外からやって来た人だそうだ。
お客様が来るなんて珍しい。
器を興味深そうに見ていた。とても楽しそうだった。
少しお話しをした。村の外のことをたくさん教えてくれた。
とても楽しかった。
またお話がしたい。
読み終えるのと一緒に頭の中に映像が流れてきた。
さっきの部屋の人形が映っている。白黒だけど誰かの目線なのか、時々ゆらゆら揺れてあたりを見渡す。
誰かが映った。下を見ているのか、首から上が映らない。
その人は近づいてきて、こんにちは、と優しく声をかけた。
だんだん薄くなる視界にその人の顔が映った。
「あ…。」
髪は長いけど、あれは確かに…。
そこで途切れた映像。
最後の瞬間が目に焼き付いてしまった。
後ろから近づいていたものにも気づかない。
肩に手を置かれ、やっと反応する。
「 」
耳元で火が揺らぐような声が聞こえた。




