D-1
「誰あの子達!!?」
「しらねーよ!」
なぜか白くて半透明な子供3人に追われている。
触れると何か気持ち悪くてやだ。避けても触ろうとするのでこの状態になってしまった。
後ろからあそぼーとか、まってよーとか聞こえるけど、無視。
おれ、苦手なんだってそういうの。
「こっち隠れよ!」
階段下の屏風の影に身を潜める。天井からドタドタと音がして思わず唾を飲み込んだ。
ここは半地下の物置みたいだ。背を向けている壁から月の光が差し込んでいて少し明るい。
「どうしようか。」
「塩とか?」
「ああ、あたまいい。ききそう。」
そんなバカな会話をしていると、いつの間にか足音が止んでいた。
遊び疲れてくれたのだろうか。それにしても静かだ。
様子を伺おうと階段を登る。こっそり覗いてみると子供たちはどこかに消えていた。代わりに誰かが立っている。
「…?」
大人だ。たぶん男。何か持っている。あれは?
それを確認する前に男が振り向いた。
持っているも物がはっきりと目に入る。
男は鎌を持っていた。
こちらを見てニタリと笑う。
「みぃつけた。」
「うわあああ!」
鎌を振り上げて襲い掛かってきた。人間のスピードではない。
逃げようとして思わず踏み外した。階段を転げ落ちて壁に背中を強打する。
「D!!」
Bの声に顔をあげると男がおれの肩を掴んだところだった。
目も閉じれないまま固まってしまう。
確実に死んだと思った時、男の後ろで閃光が走った。
「ぎゃああああああ!!」
男が叫び声をあげて悶える。
その隙にBを連れて階段を駆け上がる。
「C!」
登ったすぐ近くにCがいた。なぜか古いカメラを持っている。その後ろからAが息をきらしてやってきた。
「下がってろ。」
そんなかっこいい言葉とともにシャッターを切る。被写体は男だ。
フラッシュが眩しい。
男はまた叫び声を上げて悶える。悶えながら、まるでねじれたように小さくなり、火の玉になった。
「何だこれ。」
「さっきは弾けたよね?」
訳のわからないことを言いながらAが火の玉に触れる。すると、頭の中で気味の悪い声が響いた。
「熱い…熱い…。」
そこで途切れた。熱い?ここはむしろ寒いくらいだ。
「大丈夫?」
「ありがと…。」
「助かったね。そのカメラは?」
「これな、除霊できるらしい。」
へぇ…と感嘆のため息が漏れた。
Cによると、これは見えないもの、例えば写したものの昔の状態も撮れるらしい。
「この世界を攻略するための重要アイテムなんじゃないかな。」
Aがまるでゲームをしているかのようにワクワクしながら話す。
そんな気分だと死ぬぞ。
「ここから出るには、呪いを解かなきゃいけないらしい。」
「呪い?」
「ああ。オレらが調べた家がたまたま研究者の家でさ、何か儀式に失敗して、村全体に呪いがかかったらしいんだ。」
「どうやってとくの?」
「それはまだわかんないんだ。この屋敷で行われてたのは間違いないんだけど…。」
呪い…今の状況で1番聞きたくなかった言葉だ。
ともかく儀式について調べればいいのかと解釈したが、一体どこを探せばいいのだろう。ヒントも無しに。
Cは日記を見たそうだから、書庫を漁ればありそうだが…。不安だ。
「4人で行動した方がいい。武器がこれしかねえからな。」
「書庫見つけたらすぐに言ってね。」
「先生ー!おやつはバナナに入りますかー!」
ふざけ始めたBに不安を覚えていると、ギギ…と不気味な音が。
「…もうかえりたい。」
独りでに開いたドアから冷たい空気が流れ込んできた。




