表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/50

A‐1

死んではいなかったが、できればここ以外のところで目覚めたかったものだ。

現実世界なら万々歳だが…。せめてもうちょっと明るい場所をチョイスしてほしかった。

おそらくここも異世界なのだろう。風景自体は日本にもあるだろうが、どこか違和感を感じる。

一言で言うと、不気味だ。

…うん。


「今度はどんな世界だろう?」

「人の気配がしねえな。」

「………。」

「…D?」


普段からあまりしゃべる奴ではないが、明らかに様子がおかしい。

いつもなら眠そうな目でうなずいたりと何かしらの反応があるのだが。

顔色もあまりよくないし。


「大丈夫?」


尋ねてみると慌てたように首を縦に振る。本当に平気だろうか?

しきりに周りを気にしているのが気になる。


「まずは探索してみるか。」


というわけでCと一緒に建物を調べることになった。

あまり数はないので、時間はかからないだろう。

試しに近くの古民家に入る。中は荒れていて、床や天井、壁がところどころ抜けている。生活感は全くない。


「Aー。」


声の聞こえた方に行ってみると、本棚が立ち並んでいた。書庫のようだ。

Cは一冊の本を手にしている。


「研究者が使ってたみたいだな。この村のこと調べに来た…って書いてある。」

「勝手に見ちゃっていいのか?」

「知らね。でも住んでなさそうだしいんじゃね?」


悪いとは思うが、とりあえず情報が欲しいので読み進めることにする。

この日記?によればこの村は1年に1回とある儀式を行っていたらしい。詳しくはわからないが、行わずにいれば、災いが村を襲い大変なことになるそうだ。村を見る限りそれが起こってしまったようだが…。


「その儀式をやってたっていう屋敷に行ってみるか。地図で言うと中央だな。」


日記をしまって外に出ようとした時、


「お?」


Cが何かを見つけた。


「かなり古式だな…。」

「使い方わかるの?」

「もち。」

「さすが。」


カメラだ。

とても古くて、僕にはどう使えばいいのかわからない。

不思議とこれだけはほこりを被らずに綺麗なままだ。


「撮れる?」

「………。」

「?」


視線をCに移すと、前を向いたまま目を見開いて固まっている。

何事かと思い振り返ってみると…。


「!?」


真後ろに白っぽい男が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ