表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/50

C-4

ここはどうなっているのか。理解できる範囲にないことは確かだ。

世界は狭いと言うが全くその通りだ。

さあ今から死ぬぞという時に何を考えようか。


「あ…なあれぼし…。」


どこに現れたのだろうか、オレには見えなかった。えらく眠そうな声だったが何か願い事でもしたか。

していないならもったいないとでも嘲笑ってやろう。


「A寝たな。」

「Bはおきてるかな。」


試しに話しかけてみるとDが反応してくれた。

Bはおそらく寝たのだろう。かすかに寝息が聞こえる。

静寂に耳を傾けていると遠くから鈍い音が聞こえた。

何かのアニメで同じような音を聞いたような…。


「地面もくずれ始めたか。」


ここもそのうち落ちてしまうだろう。

死体はどうなるのか。ちゃんと見つけてもらえるといいのだが、確率は0に等しい。

生まれ変わったら、またこいつらとつるむ気がする。

なんとなくだが、そう思った。

一緒にいて心の底から楽しいと初めて感じた。こいつらとまた出会えるなら今理不尽に殺されたって構わない。


あー眠くなってきたわ。他の2人もこういう感じだったのか。

普段こんなことないのにな。これもあの女の子が関係しているんだろうな。

あの子いったい何者だ。オレ達以外の人間…人間?ほんとに?


「竹田城行きたかった…。」


目を閉じながら後悔してももう遅い。このまま意識が途切れるのをゆっくり待とう。

今度はボッチにならないように、世渡りのうまい人間になると心に誓って、おかしくって少し笑った。

目の前にはプラネタリウムのような、まるで最初からそこにあったような景色が映っている。

ああ、こういうのも撮ってみたかったな。カメラはないし力も入らないから、オレの記憶にでも焼き付けておこう。


「たのしかったよ。」


薄れ行く意識の中、Dの独り言が聞こえたような気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ