クリスマスプレゼント
ジャンルSFにしたんですけど
正直、SFなのか、分からないです。
初めは説明会みたいになっちゃってます。
読んでくれるという、心優しい方には感謝ですね。
字数どの位書けばいいのかよく分からなかったんです
人気でなくても、
読んでくれる人が一人でもいたら続けるつもりです。
楽しんで読んでくださったら幸いです!
雪が降っていた。
自分がこっち側世界に迷い込んだのも
こんな雪の降った日だった。
こっち側の世界と言っても別に異世界に迷い込んだわけじゃない。
いつも送っていた日常が少し変化しただけだ。
季節は冬、今日はクリスマスの25日だ。
クリスマスプレゼントは中学校になった途端に打切られてしまったけどね。
いつだっただろうか?
この世にサンタなんておらず、プレゼントは自分の親が夜中にこっそりと自分の枕元に置いているんだと気づいたのは。
気づいたと言うよりは気づかされたと言っていい。
ほとんどの子供たちはプレゼントをくれたのは親だと、
歳を重ねるうちに知らず知らずのうちに知ってしまうのだ。
こんなセリフを聞いたことはないかな?
「あの子の欲しいものがわからない」
「今年はあのほしがってた人形をあげよう」
「まだサンタなんて信じてるの?」
とか、それら関係のものだ
大体このセリフはクリスマスが近づくにつれてテレビのアニメやドラマなどでサンタはいない宣言をしてる台詞が多くなっていく。
もし本当にサンタを信じさせたいならああいうことを言わないような決まりを作るしかないと思うんだ。
夢を壊すようで悪いけども、
とりあえず、今のところは、この世にサンタはいない
プレゼントをくれるのは大体が自分の親ってことになるんだよね
けどこれは僕の考えであって、これを押し付けるような真似はしないけどさ。
けどね、本当にたまに頼んでもいないプレゼントがクリスマスに届いてることがあるんだ。
もちろん親に頼んだものでもないし、
そもそも人が用意できるものじゃない。
例を上げるなら〈異世界に行けちゃう券〉みたいな?
普通からかけ離れたものが届くことがある。
僕はこれをプレゼントではなくギフトと呼んでいる。
で、これこそサンタがくれた贈り物だと、思われがちなんだけど
僕の推理だとこれは〈ルール〉や〈法則〉みたいなもんだと思ってる。
食物連鎖って分かるかな?
強いものほど数か少なく弱いものほどたくさんいるってやつでね
これがまたうまく出来てるんだ。
仮にライオンらがいたとしよう。
ライオンがシマウマをたくさん食べる
するとシマウマが減るんだ。
シマウマが減ると今度はシマウマに食べられていた草が増える
草が増えるとシマウマがそれをたくさん食べられるため、
シマウマの数がだんだん増えていく
シマウマが減っていたことでライオンの数は減っていたけど
シマウマが増えてまたはじめに戻っていく
とりあえず上で言いたいのは生態系は壊れないようにできていてそういうルールができてるってこと。
つまり僕がいいたいのは
クリスマスの日にギフトが配られるようにできてる。
誰が配ったじゃなくて、気がつくとそのにあるんだ。
納得できないかもしれない、筋も通ってない、けど経験した身としては、そう言うしかないんだよね。
「かーざーみーやーくーん何たそがれてるのー?」
後ろから声をかけられた。その変な呼び方が示しているのは自分のことだと気づき振り返ると、最近、依頼や頼み事をなどを持ち込んでくる男がいた。
「ちょっと考え事をしてたんですよ」
自分よりは歳上のため敬語を使っている、とわいえ、
歳にはさほど差は無いのだが
「う〜ん、けどビルの上で人を見下ろしながらたそがれるのもいいことだと思うよー?ほーら人がゴミみたいで面白いし」
(何言いってんだこの人は)
ほんの少し、いやかなりテンションが違う相手と話すのは意外と大変なものだ。出会ったときは危ない人にしか見えなかった。
が、陽気で自分を束縛せずに接してくれる所が気に入ったのかもしれない、
僕がやっている仕事というよりはバイトや小遣い稼ぎに過ぎないのだが、仕事内容状、束縛せずに接せられることのほうが珍しい。
「見下ろしてたわけじゃありませんよ。」
「じゃあ何をしてたんだい?」
これまた何が楽しいのかニターと笑いながら、言ってくる。
いつでもどこでも人生ハッピーなんだろうかこの人は。
「こーゆーこと(仕事)をするようになったキッカケからもう一年もたったことにしみじみしてたんですよ」
「あーあるよね〜。俺もね~どーしてこんな危なっかしい仕事を選んじゃったのかたまに不思議に思うんだよね〜」
「自分の意思でしょ結局は」
自分の意思で生きていない自分が言えることでもないが、
そうなったのも去年のクリスマスからだということを思い出す
(随分見える世界が変ったよ。本当にさ)
一年前
目が覚めると日差しが眩しかった。
朝を通り越してお昼になっていたからだ。
(寝すぎた‥‥‥。)
とはいえ、今日はクリスマスだというのに
これといって出かける予定もなかった。
(彼女でもいたらよかったのになぁ)
作ったこともないためか、これから先もできない気がしている。
一応、作り方は知っているつもりだ
端末を見るといくつか連絡が入っている。
眼鏡をかけて端末の、ロックを解除し目を通した。
「風宮って今日暇?暇だったら遊ぼうぜ!一緒にクリぼっちを回避しようじゃないか!田中達も来るってさ。1時に田中の家に集合な」
一人でクリスマスを過ごすのが嫌な友達からの誘いメールだった。
自分を含めて5人くらいになるか。
(どうせ暇だし行こうかな)
窓の外を見ると雪が降っていた
天気予報だと夕方から更に激しくなるらしい
田中の家に行くべく風宮犬こと犬は支度を始めた。
パジャマ代わりに着ていた黒いロングTシャツの上に、
また黒くて、袖が長めのパーカーを着る。袖の部分だけほんのり白くグラデーションががかっている。
手は出るか出ないかくらいで、ゆとりがある。
本音をいうとダボダボだといっていい。
(たんに僕が大きの服が好きなだけだけど)
白黒のネックオーマを、首にかけ、長ズボンに、はきかえた
ズボンにはモノクロの布地の紐のようなものを家の鍵と一緒につけている。こうすると鍵が無くなりにくいためだ。
もし落とした時、モノクロの布も一緒に落ちるため気づいてもらえやすい。キーホルダーみたいな物だ。
前に一度、鍵をなくしてしまった時に買ったのだ。
洗面所の鏡で寝癖を整える。寝起きのせいか目つきは結構悪い。顔をバシャバシャと洗うと目が少し大きく開く。どちらかというと人懐っこい顔をしているといえる。
が、目を細めるとかなり目つきは悪くなり、怒るときは結構怖いらしい。前に友達が言っていた。
目を細めた自分を見ても目つき悪いなと思えるほどだ。
「目の細さだけでこんなにかわってしまうものなか…」
髪は寝癖が立ちやすく酷いところだけいつも直していく。
本人も寝癖に関しては諦めているのだ。
髪は黒髪で女子のように一本一本が細く細かく、母さんは『私に似たのね』と笑いながら前に言っていた。
「財布はどこだっけ」
部屋をキョロキョロと見渡し机の上にあるのを発見した。
「ん?」
だがどこかその視界に違和感がある。
財布を、見つけると同時にほかのものが目に入ってきた。
「プレゼント?」
財布の横にプレゼントボックスがあったのだ。
大きさはさほど大きくはないが、指輪が入っている箱ほど小さくもない。ざっと12㌢×12㌢くらいの大きさだ。
赤い箱に、ご丁寧に緑のリボンでラッピングされている。
プレゼントボックスの上には『風宮犬』と自分の名前が書いてあるカードが置いてある。 (かざみやけん)
(母さんが、くれたのかな)
(けど突然過ぎな気もする)
クリスマスプレゼントは小学六年生までで、止められたのだ。
それを、今更17の息子にクリスマスプレゼントは変ではないか?
それに普通わざわざ名前付きのカードまで用意するか?
(気になるけど。とりあえず開けるかな)
久しぶりのクリスマスプレゼントに喜ぶ自分がいる。
何が入ってるのか?そういえば最近、母さんに新しい眼鏡が欲しいっていった覚えがある。ひょっとするとそれかもしれない。
緑のリボンをほどき、蓋をあけた。
「‥‥‥‥?」
中を見て思わず?が頭に浮かぶ。
(何だろうこれ)
プレゼントボックスにはしっかりと、ものが入っていた。
白い横長の名刺のようなカードに文字が書かれている。
「反射神経‥?」
カードにはそう書かれていた。
混乱していると、
「!‥‥なんだ?」
【カタ…カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ】
箱が突然揺れ出した。
小刻みに揺れ、その揺れはどんどん激しくなっていく。
【カタッ】
急にプレゼントの揺れは収まった。
「止まった‥‥?」
だか、止まったかと思うと
プレゼントは水の中に砂糖を入れたかのように
リボンとカードも含めてスゥッと消えてしまった。
「何だったんだろう‥‥。」
これは母さんが、用意したものじゃないとだけはわかった。
カードには反射神経と書かれていた。
しかし、自分には反射神経は備わってる。そもそもたいていの人は反射神経を持っている。
じゃあどういうことなのか?
約束の時間のことも考えほんの少しだけ考える。
(反射神経をプレゼントされてしまった‥ってことになる?)
可能性としてはイタズラである可能性は低い。そもそもあんなものをどうやって用意するのかが不思議なとこである。
(もしかすると本当に何か不思議なことが起こっているのか。
そもそもプレゼントに反射神経をもらったとして何が起こるのか、何ができるのか、何かが変わるのか?)
考えは疑問しか浮かばない。
時間も迫ってきているし。いっそこのことほっといて出かけてしまえばいいのだが、この、謎の自体をほっとくほど犬は脳天気な性格ではなかった。
(もっとシンプルに考えてみよう。うんそうだ。数学でもシンプルに考えるとよく解けることがあるし。)
そもそも反射神経とは
ざっくり言うと脳よりも体が先に反応すること。
反応してしまうと言うのが正しいか。考えるよりも早く体がう動いてしまう。そんな感じだ。
このままいくとそれをもらったってことになるんだけども、
それはつまり自分が反射神経が劣ってるってことなのだろうか?
その補充としてプレゼントされたのだろうか。
正直、小学校の時とはいえ、ドッチボールで最後の一人になった時に3分間逃げ切った自分としては、その可能性は低い気がした。
もう一つ思いついたのは、これは本当にあってほしくない可能性だが、プレゼントではなく僕から反射神経を奪ってしまったのではないかということだ。それは本当に困る。
もしそうなると自分に及ぶ攻撃や危険を全てこれから先、自力で避けなくてはならなくなる。
それを思うとゾッとする
一番一般的なのはただのイタズラで、別に何もないことなのだが。
それは今は省こう。
こんなことをしてくる知り合いは今のところ思い当たらないし。
(それを思うと確かめたくなってきた。)
(反射神経を確かめるにはどうすればいいんだろう)
自分で自分を攻撃しても反射神経は働かず、自力で回避してしまう可能性のほうが高い。といか馬鹿らしい。
もっと自然に行っている反射。普段、何気なく行っている‥‥。
(‥‥‥‥自然に?)
「瞬きか」
瞬きも人がしている反射の一つ。瞬きの回数は子供では1分間につき約5〜18回、大人では男性が20回、女性が15回程度といわれている。瞬きの、役割はこれもざっくり言うと目の保護だ。
さっきから自分は瞬きをしていたか?
自問自答をし、これまでのことを思い出す。
(うんしてる。よかった‥‥)
恐怖も消え去りいよいよ考えられる答えは一つになった。
そこまで辿り着いたところでいよいよ約束の時間が迫ってきてしまった。こればっかしは確かめるのにもどうしたらいいか分からない
(まあ‥もしろうなら何処かで異変に気づくだろうし)
少し心配だったが田中の家に行くことにした。
「おせーぞ風宮」
僕が田中の家につく頃には皆、家の前に集合していた。
僕を含めてもやっぱり5人か。お決まりのメンバーといえばそうか。
田中の家はみんなの家からちょうど良い位置にあり、よく待ち合わせ場所にされる。
このメンバーの中心は千草だ。
左耳にピアスをつけてるが不良ではなく、つけているのも学校が休みの日だけだ。クラスの人からも頼りにされてる存在と言っていい。
山と水は苗字が面白い。山と水なのでよくネタにされてしまっている。二人は幼なじみらしい。
小中高全て一緒で二人に仲の良さは学校でも有名だ。
ちかなみに全員男だ。
「ごめん。ちょっと用事があってさ」
さっきのことを話す気は全くなくテキトーに誤魔化した。
「これで全員なの?」
「あー山崎がまだ来てないな。」
「ああ、山崎も来るのか」
山崎は最近僕も仲良くなった感じた。
二週間前に僕らが通っている高校に転校してきたのだ。
ヤンチャだけど誰とでも仲良くなれるような良い奴という認識である。そのおかげか僕らのグループにもすぐに和に入れた。
「そろそろ来ると思うんだけどなー」
そう言いながら千草は腕時計を見る。
「メールしてみる?」
「頼む」
僕は端末をショルダーバッグから取り出し、山崎に「皆、待ってるから早く来い」と打ち込む。送信を押そうとしたところで、体に衝撃がはしった。
「なっ‥‥」
後ろを思わず振り返ると山崎がいた。
背中を叩かれたのか?いや違う体が横にそれたのだ。
挨拶代わりに山崎は風宮の背中を軽く叩こうとしたが
それを犬が体を右に傾けて避けたのだ。
その様子に山崎は驚いたらしく
「お前後ろに目でもついてんの?」
といい放った。
「えっ‥‥まあ」
犬も、自分が山崎の不意打ちを避けたことに驚いていた。
なんせ勝手に体が動いたのだから。
もちろん自分は今、山崎のことは微塵も気づきてなかった。
もう一つの、考えられる答えは当たっていた
今のは反射だ。体が頭で考えるよりも早く反応していた。
「もしかして…反射神経が鋭くなってる‥?」
小さな声で言ったため、誰にも気づかれてはいない。
だが、深く考え込んでいる風宮を見て山崎は心配に思ったらしい。
「何ボーっとしてんだよ!お前にはこの挨拶にはちょっと、過激だったかもな(笑)。もっと鍛えとけ」
冗談混じりに山崎がいうと
それを聞いて周りのみんなも笑いながら「そーだな」「1日腹筋30回だな」と盛り上がり犬もそれに合わせて笑顔を作り合わせた。
「あはは…家に帰ったら牛乳でも飲むよ‥‥。」
「よし!全員集まったし遊びに行こうぜ!ゲーセンいこ!」
千草がみんなに言うと場の空気のしらけは吹き飛んだかのように明るくなった。風宮もそれに合わせゲームセンターに行くことになった。ゲームセンターまでは歩きで行く。
ゲームセンターの近くにはご飯を食べれる所もいくつかあり、
いつも遊んだあとは安いところで甘いものなどを頼み、雑談をする
今日も変わらずゲームセンターで少しお金を使ったあと
いつも行くお店でお茶をした。
しばらく話したりゲームをしたりしていたが
僕は先に帰ると、告げた。周りは止めることもなく『じゃあなー』
と手を降って見送っていた。
(これはちょっと予想外かも‥。)
別に早く帰る予定もない。が、ここに来るまでにかなり今の反射神経の性能を分からされた。
休みの日だけあって人が多いのだが今日自分は誰一人として人にぶつからなかった。
これだけならありえることだ。が、ぶつかりそうになった時自分で意識はせずに体が勝手に避けていくことが何度もあった。
自分の意思とは関係なく動く体はかなり違和感がある。
少し気持ち悪いくらいだ。もしかして雪すらも避けるのかと思ったがたまにピクッと体が反応するくらいでよかった。
(雨が降ったらどうなるんだろう‥‥‥。)
他にも落ちていた空き缶のせいで躓きそうになったのだが
体制が勝手に立て直った時は、自分が怖くなった。
あまりにも自然に体制が立て直るのだ。周りから見たら缶を蹴ってそのまま何事もなく歩いているくらいにしか見えないくらいだ。
自分が転ぶと思っても転ばなかった感じはかなり違和感だった。
もう自分が自然に転ぶ日はこないのかもしれないと思うと、良くも思ったが。
なれない急な動きを連発したおかげで体中が痛い…。
体を柔らかくする必要がありそうだ。
(これはこれで不便だなぁ)
自分の家に向かう途中、今日のことから見てそう結論が出た。
人混みを通るのが嫌になったので人気のない道を選んで通っていた
時刻は午後5時過ぎ。千草達は今頃カラオケにでも言っているのだろう。メールに山から【山崎、演歌ちょーうまいんだけどwww】と着ていた。
「ちょっとだけ見たかった」
苦笑混じりに呟くが、事態は変わらないと思うと少し暗い表情になる。悲しんでるというよりは、これから先どうするのか考えている表情。
(反射神経にはon-offが効かない)
(自分が嫌でも避けることになることもあるだろうし)
導き出された結論は至ってシンプル
「慣れるしかないのかな」
家に帰るなり荷物を置いた。
まだ誰も帰ってきておらず、家の中はシーンとしていた。
部屋に戻り、念のためドアに鍵をかける。
窓もしめたし、カーテンを閉めた。
(今からやることはあんまり人に見られたくない)
犬は机の上にあった筆箱からシャーペンを取り出し、
左手で持ち、右手を机の上においた。
そして、左手を本気で右手に向かって振り下ろした。
「ぐっ」
激痛が右手に走るだろうと分かっていても思わず目をつむる。
振り下ろされたあとゆっくり目をあけていく。
結果、右手は無傷だった。
刺さる前に、ほんの少し腕が右にズレたからだ。
さっきまで右手があった場所にはシャーペンの刺さった跡が付いている。
「だよね‥」
予想していた結果だったが、実際に見るとゾッする。
今、自分は避けないつもりでやったのだ。
それを無視して反射は行われた。
つまりこれは、避けたくなくても避けてしまうということだ。
例えばキャッチボールを誰かとしたとして、相手が投げたボールを取ろうとしても、おそらくは避けてしまうだろう。
犬が今、行っているのはこの反射神経が、どこまで避けられるのか
何をしたら避けるのかなどの性能を調べるべく、思いつく限りの方法で試しているのだ。
(危険だと判断されれば僕の意思とは関係なく避けてしまうってことか。)
ならば次に知らなくてはならないことは、
どこまでのことを避けてしまうのか。
つまりは何なら避けないのか。
(この結果次第では日常生活に支障がでるな)
それから1時間ほどいろんなことを試した。
その結果、自分の視界に入っていて焦点が合っていればある程度までは反射は行われなかった。
ある程度とは簡単にいうと、自分に危害が加わらないくらい。
今、分かっているのはその程度だ。
不意打ちでちょっかいを出されたりドつかれたししたら間違いなく避けるだろう。
(まあ生活しているうち大体分かってくるかな)
母も帰宅してきたところで、実験じみたことはやめ、
ほとんどいつも道理に過ごした。
一つの疑問を抱えたまま
(あのプレゼントを貰ったのは僕だけなのかな?)
─【とある児童施設】
「クリスマス‥プレゼント‥‥‥‥初めて」
くるはずもないプレゼントがきたのだ。
ほんのりと笑顔で呟き、小さな女の子は
プレゼントを持って雪が落ちてくる空を見つめた。
薄緑の長めの髪の毛が揺れるたびに、キラキラと輝く。
「‥‥キレイ」
初めてのホワイトクリスマスに素直な感想を述べるため
静かにそう呟いた。
─とある家
「ふんふんふーん♪」
ベットの枕の下にプレゼントを発見した彼は、
鼻歌を歌いながら、ニコニコ笑顔で
読んでいた医学の本を放り投げ、
今年は何のプレゼントかと鼻歌を歌いながら、
クリスマスプレゼントを開封した。
─【どこかの街なかで】
「ん〜なんかある?」
ズボンポケットを漁ると
小さな星形のプレゼントボックスが入っていた
「キュートな形してるね」
「僕、星形(☆)好きなんだよね〜。」
何故、プレゼントがポケットに入っていたのかは気にせず
少年はとりあえず細いリボンを解いた。
不思議なクリスマスプレゼントは
いろんなところで、平等に配られていた。
配られたことに理由などなく
ただ、そこに現れるクリスマスに送られる贈り物。
そしてたまたまギフト(贈り物)を、もらった子供達は
ほんの少し先に、何が待っているのかも知らずにリボンを解いた。