カレー嫌いマン
何か勢いだけで書きました。今までに無い程の脱力感で読んでみて下さい(^_^;
舞台はインド。この世にカレーがある限り、今日もあいつは現れる!
そう、彼の名は……!
カレー嫌って40年、カレーなんて甘くていい!
カレー嫌いマン!!
「さあみんな、カレーを作ったからお食べ」
広場の中央で子供達にカレーを配る男がいる。
「わーい!おっちゃんありがとう!」
「はっはっは、いいんだいいんだ君達もお腹が空いているだろう、たーんと食べなさい」
「はーい」
月イチでこの場所でカレーを配るこの男、家庭はとてつもなく裕福で、カレーを配る事なんて朝飯前なのだ。
そんな男の前に、アイツが来ない訳が無い!
「てめぇコラァァァァ!誰に断ってカレーなんぞ配ってんだんなろォォォォ!」
颯爽と現れたその男を見て子供達は言った!
「うるさい黙れ好き嫌いマン!」
「好き嫌いマンではない!カレー嫌いマンだ!おのれカレーを配る男め、もう子供達を洗脳したか!」
それを聞いた男は言った。
「あ、カレー食べますか?」
カレー嫌いマンは激怒した。
「子供達だけでは飽き足らずこの私にまで!?カレー恐っ!」
それを聞いた子供達は諭すように言った。
「哀れ……」
しかしカレー嫌いマンはそれしきでへこたれる男では無かった。
「とにかくこの世からカレーが消えるまで私は戦い続ける!そんな本格スパイスをふんだんに使った程良い辛味の激ウマカレーなんぞがあるから俺の家は………俺の家はァァァァ!」
突然泣き叫ぶ50代のカレー嫌いマンに、カレーを配る男は優しく、ナンでカレーを包み込むように言った。
「大丈夫です、カレーは嘘をつきません。過ちを認めさえすればあなたもきっと…」
「カレーを配る男…」
捨て猫が拾われた時のような目でカレー嫌いマン(つーかぶっちゃけただのおっさん)はカレーを配る男を見つめた。
その時だった!おっさんの眼光が鋭く輝いた!そう、まるで借金の回収に来たその筋の人のように!
50代と思わせない(つーか人間レベルじゃねぇ)スピードでおっさんはカレーの鍋へと走り出した!
「野郎!俺達のカレーに何かするつもりだ!止めろ!」
子供達は必死のディフェンスでおっさんことカレー嫌いマンを止めようと試みた。
しかしおっさんのフットワークは半端ではなかった。そう、まるで獲物を追うチーターを3倍速で見ているような感じだ!
そんなおっさんを、まだ小さい少年達が止められるはずも無く瞬間的に鍋の前までたどりついた。
「や、やめろォォォォ!」
しかしすでに遅かった。おっさんは絵の具の空チューブにせっせとカレーを込め始めたのだ!そして一言。
「ほらほら、この絵の具カレー色だよぉ〜」
やっちまった……完全にスベった!こうなったら逃げるしかない!
「ではさらばだ!」
「野郎!」
カレー嫌いマンは(ってかもうおっさんでいいよね?)あのチーターの3倍くらいのスピードでビューって走って行きました。
ありがとうカレー嫌いマン!頑張れカレー嫌いマン!この世に激ウマカレーがある限り奴は戦い続けるだろう!