作中用語説明
少々ネタバレのところもございますが、合わせて少しでも参考に
していただければ幸いです。
浄化者
〔霊長意識集合体〕に唯一対抗できる、〔地球〕から選ばれた能力者。
その能力の元は、〔永久水晶〕呼ばれる水晶。
それを手にして初めて〔浄化者〕となる。
能力には個人差があり、ランク別に分けられている。
※作中、〔浄化者〕となっているが、登場人物たちは、自分たちを〔浄化者〕と素直に呼んでいる。
30年前までは〔神和〕と呼ばれていた。意味は「神の使い」。
カタルシス
〔浄化者〕たちが作り上げた組織。
〔ミュトス〕との戦いは世界規模なため、世界共通の「秘密組織」となっている。
が、活動はその国の自主性に任され、共通の活動は「情報共有」程度に留まっている。
日本では表の社会で〔トモエグループ〕という世界有数の大企業であり、日本政府にも深く関わっている。
※〔ミュトス〕の出現率は世界各地で大きくことなり、日本はトップクラスで高い出現率を誇る。そのため、〔組織〕の活動が活発となり、自分たちの表社会での〔生活〕を保障するため、〔トモエ〕という企業が大きくなる要因となった。
30年前までは、組織名は〔巴〕と呼ばれており、その名残が企業名となっている。
霊長意識集合体
〔浄化者〕たちが戦う相手。
数十万年前からの、〔人類〕の集合意識のこと。
「生」の欲求の塊で、「人」だった者の「残留思念」を吸収し、地球を覆うほど巨大化し、再度「生」を得るため、物質の垣根を越え、現世に生きる生物の「生命エネルギー」を奪い取り「蘇ろう」としている。そのままほっておくと、地球上から万物が消滅するまで止まらない。
現世に存在する宗教上などの「陰陽師」、「エクソシスト」などの退魔術などは一切通用しない。
言霊もほとんど無効である。
唯一の天敵が〔浄化者〕である。
無意識体
〔ミュトス〕の本来の姿。最初の姿でもある。この姿ではなんの力も持っていない。
単なる「エネルギー体」。作中にはまだ表現はないが、「アストラル体」と言われる場合もある。肉体はなく、〔浄化者〕には霧状に漂っているように見える。
普段は〔現世〕と〔常世〕の境を漂っている。集団化し、エネルギー体でも力を得てくると、現世の〔浄化者〕に〔視〕えるようになる。
集まると災いとなるため、昔の呼び方は〔不浄の者=フォボス〕と呼ばれていたが、日本では、支部レベルではまだ〔エス〕という呼び方は浸透しておらず、〔フォボス〕と呼んでいる。
根源体
〔無意識体〕が集まり、現世に「存在」する力を得た〔ミュトス〕。別名〔厄〕。
強力な「生」への欲求から、この姿では、現世に「存在する生物」に実害を及ぼすようになる。最も警戒すべき存在であり、希空たちが戦う相手でもある。
漆黒で伸縮性のある姿で出現することが多い。
永久水晶
〔地球〕が選んだ〔浄化者〕が持つ水晶の名称。
形状、色、産地などは関係ない。人工的に手が加えられていても同様である。
どんなタイミングで手にするかも不明。予兆もない。
ある日突然、〔浄化者〕として目覚める。
〔浄化者〕となる者は、この〔永久水晶〕の能力を引き出す能力に長けていると考えられている。
〔現世〕のどんなものでも傷つけることは出来ない。
地球
私たちの住む地球のこと。だが、意味は「地球の意識」であり、便宜上ギリシャ神話の大地の女神「ガイア」の名が当てられている。
生物はみな、この〔地球〕から生まれ、死ぬと〔地球〕に戻ることになる。
〔霊長意識集合体〕はこのシステムから外れ、再度の〔生〕を望み、その目的のために「万物」を死滅させるために、〔地球〕にとってはただの異端の存在でしかない。
〔地球〕に選ばれた〔浄化者〕は、死ぬまで〔ミュトス〕と戦い続ける使命を帯びることになる。逃げることは「死」を意味する。
〔カタルシスジャパン〕では、この〔地球〕のことを〔常世〕と表現し、「物質界」ではない、「霊界」と認識している。
〔現世〕と〔常世〕の〔境〕とは、「物質界」と「霊界」の「境目」という意味をもつ。
能力発現者
〔浄化者〕は〔ミュトス〕の天敵ではあるが、〔無意識体〕がほとんどであるため、
〔現世〕と〔常世〕の境に入り込み、〔浄化〕する必要がある。
そのため、多くの〔浄化者〕は〔結界〕という形で〔境〕を再現し、〔ミュトス〕を閉じ込め〔浄化〕する。〔結界〕をつくる能力がある者も、この〔能力発現者〕に括られる。
〔結界〕をつくる能力の〔浄化者〕以外は、〔結界〕外では能力を使用する必要性がない。
が、〔根源体〕のみ、〔現世〕に出現するため、対〔根源体〕の〔浄化者〕がそう呼ばれる。
〔結界〕外での能力使用が可能であり、潜在能力も高い。
ただし、〔現世〕での「存在エネルギー」も異常に高くなるため、〔根源体〕に襲われる可能性も非常に高くなる。
そのためにひとつの場所に長く留まることは、〔根源体〕の出現率を高めてしまうため、
五式市のような特殊な場合ではない限り、居住地域を変える必要が出てくる。
タイプ
Bランク以上の〔浄化者〕に限られるが、2つのタイプが存在する。
1つは〔共鳴系〕と呼ばれ、精神を集中し、〔永久水晶〕と〔共鳴〕しつつ能力を発揮するタイプと、〔支配系〕と呼ばれ、〔永久水晶〕と瞬時に同化し、自身の力として発揮するタイプのことである。
2つのタイプの違いは、その能力の発現にかかるタイムラグのことだけであり、大きさに違いはない。
だが、〔支配系〕は瞬間的に能力が発現出来る分、〔永久水晶〕からの影響も大きく、精神が戦闘の際、冷静沈着となる〔トランス状態〕となり、最大限に能力を発揮するが、自我は抑えられており、何かの拍子で自我が戻ると、〔永久水晶〕の影響からのもうひとつの仮の自我と衝突し、精神、身体に大きなダメージを受ける危険性がある。
その状態を〔歪み〕という。
〔共鳴系〕は〔Sympathy〕の〔S〕。
〔支配系〕は〔Control〕の〔C〕で表される。
しかし、〔支配系〕は攻撃力(浄化力)が高い分、〔結界〕=〔空間移動維持能力〕が低く、
〔共鳴系〕は集中力の他に維持力に優れ、〔結界〕というより、〔現世〕と〔常世〕の〔境〕そのものへ移動し、留まる〔空間移動維持能力〕が優れている。
そのために、〔根源体〕との戦闘は、この違うタイプの〔浄化者〕が2人一組となり、戦うのことがセオリーとなっている。
だが稀に、この2つの能力を持つ〔浄化者〕が存在する。
そのタイプは〔Dual〕と呼ばれ〔D〕と表現される。このタイプの〔浄化者〕は、非常に高い能力を持つ者がなる傾向が高い。
が、まだその数は少なく、このタイプの詳しい能力は不明な点が多い。
ランク
〔カタルシス〕の世界共通の〔浄化者〕の個人差をランク別にしたものである。
D・・・〔無意識体〕を〔感知〕出来る能力者。浄化力は持たない。
情報提供者となり、〔無意識体〕の出現区域やその量などを調査、報告する義務を
持つ。
C・・・〔無意識体〕を浄化する能力を持つ。このランクにも〔結界発現者〕がいる。
B・・・このランクから〔根源体〕を浄化する能力を持つ。
A・・・Bランクを上回る〔浄化者〕のこと。
B+・・〔プラス〕は〔能力発現者〕を意味する。
A+・・基本的な定義は「A」ランクと一緒。
S・・・すべてにおいて優れた〔浄化者〕のこと。「神」と表現されることがある。
世界に20人弱しか存在しない。
〔カタルシスジャパン〕では、ランク別に(その仕事の内容なども加味して)〔浄化者〕に報酬を支給している。
高ランクほど、そうとうの額と考えられる。
神奈備
〔カタルシスジャパン総本部〕の別名称。
正確には〔現世〕と〔常世〕の〔境〕の一部だが、より〔地球〕の意識に近い場所にあると思われ、その「存在」は〔地球〕によって保護されている。
時間の概念は存在せず、ここでは時間は「停止」している。
〔境〕ではあるが、〔ミュトス〕が入り込むことは不可能。
万が一入り込んだ場合は、即座に〔地球〕に吸収されてしまう。
永遠の〔常春〕とも言える。
Bランク以上の〔浄化者〕、もしくは綾香か姫香の許可した者しか入ることは出来ない。
磐境
B+以上の〔浄化者〕が発現する〔境〕の名称。
ここもまた、〔地球〕によって保護されており、時間の概念が存在しない。
ここでは〔浄化者〕の能力が高まり、〔現世〕への影響も皆無で、〔ミュトス〕を浄化しやすい空間と言える。
五式市
埼玉県東部に位置する30万人都市。
都市開発が盛んで、〔トモエグループ〕発祥の地でもあり、〔トモエグループ〕が主導となってその開発が進んでいる。
裏では、〔カタルシスジャパン総本部〕を静岡県から移し、〔発現者〕たちを集め、
〔ミュトス〕を招きいれ、殲滅を目的としている都市ともなっている。
世界の〔カタルシス〕の関係者から最も危険視されている地域でもあり、「Welcome city」と呼ばれている。
この物語の舞台でもある。