表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7、0の概念



 どれだけ呼び掛けても反応がない。見たところ怪我はしていないし、呼吸もしっかりしている。


「どうしよう。」


 電波は圏外になっているので電話はできない。助けを呼ぶためには一刻も早くここから出なければいけないだろう。何が起きているのか分からないが、このままここにいるわけにはいかない。




 一先ず父は大丈夫だと判断して、私は立ち上がった。辺りを見回すと壁についたランプが薄暗く光っている。


 父が横たわっている横には2階へ続く階段があり、四方八方には扉がある。洋館を外から見た時は3階建てで窓もたくさんあった。かなり大きな洋館のようだから、部屋が多いのも納得できる。


 後ろにエントランスのような空間があるので、恐らくあの扉を出れば外へ出られるだろう。私は足早に扉へと向かった。





 扉にはドアノブの上に16という数字が書かれていた。その下には小さな細長い穴が開いている。不思議に思ったが、外へ出る方が先だと思いドアノブを回した。


「あれ。開かない。」


 いくら回しても、押しても引いてもびくともしない。鍵がかかっているのか、壊れているのか。入る時は普通に開いたのに。


 そんなふうに考えて試行錯誤していると、足元に紙が落ちていることに気付いた。


「何だろう。」


 私はしゃがんで紙を拾った。折り畳まれた紙を開くと、綺麗な白い便箋に丁寧な字でこう書かれていた。






 ご来場いただきありがとうございます。本日は新鮮な美術品が揃っています。16名の展示品を見ていただき、16枚のネームプレートを集めてきてください。それを扉の穴に入れ、数字が16から0になったとき扉が開きます。


 また、今回の作品のテーマについて考えてみてください。きっとあなたの人生を変えてくれるでしょう。大切なのは、恐れないことです。


                  アンヘルより





 紙には地図も書かれていた。番号と矢印も書いてある。よくある展示会のフロアマップのようなものだ。この通りに見て回れということだろうか。


 何度か読み返してみたが、全く意味も意図もわからない。悪い夢なら早く覚めてほしい。そう願わずにはいられなかった。でも残念なことに、これは全て現実だった。




神水流仙寿(かみずるせんじゅ)  55歳 園長


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ