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第26話【ゴブリンとの遭遇〜みさとさん、怖いっス〜】


「それは本当か!?」

「ちょっと、色々とどうゆう事よ!!」


 とにかく、今村人が勢いよく言ったセリフが本当なのだとしたら、これは明らかに非常事態だ。

 そして同時に、この村をゴブリンから救いに来た俺たちの出番でもあった。


 俺はすぐに寝室に入ると、すやすやと眠っている2人を起こす為に叫ぶ。


「おい2人とも!ゴブリンが出たぞ!」

「「すーぴーすーぴー」」

「おい!起きろって!」

「「すーぴーすーぴー」」

「……ッ」


 しかし、2人は思っていた以上に起きないタイプだったようで、身体を激しくゆさってもビクともしなかった。

 くそ……確かにコイツらはいつも最後に起きてたもんな。


 とりあえず、こういう時こそ冷静に物事を考えよう。

 俺は「ふぅ」と、息を吐いて軽くパニックになっていた頭を冷やす。


 今村人が言った言い方だと、おそらく村に現れたゴブリンは複数体では無く単体だろう。

 そしてその場合、大きな戦力は必要無い。


 夜とはいえ、結局はたかがゴブリン、力自体は知れている。

 だから、これは完全にスピード勝負だった。

 村の人が怪我するような事には、絶対にさせられない。


「みさと!武器を持て!相手はゴブリンだ、2人で行くぞ!」

「2人は起こさないの!?」


 驚いた口調で聞いてくる。

 みさとはまだいきなり起きた出来事にパニックになっている様だな。


「相手はゴブリンだ、2人でも十分な戦力だ。それに――今は一刻も早く倒さないと村人が危ない!」


 そう、ゴブリンは巣穴や森では無い――一般人のいる村に現れたのだからな。


「――分かったわ……!」

「よし!準備するぞ!、お前は場所案内を頼む!」

「分かりました!」


 俺たちはそう会話を交わすと、すぐに武器を取り、村人の案内の元、ゴブリンが現れたという場所に向かった。


 ---


「ここら辺です!」

「分かった、お前はすぐに家へ戻れ。危険だ。」

「分かりました!」


 場所案内をし終えた村人にそう伝えると、指示通りに来た道を走って行く。

 

 着いた場所は、村の畑等がある少し開けた場所で、正面にある小麦畑おそらくの左側に生えている1本の木が、夜空に浮いている赤い星の光に照らされていた。


「どこに居るってんだよ」


 俺は辺りを見渡すが――やはり夜。

 赤い星の光で若干明るさはあるが、ゴブリンの姿は見当たらなかった。


 こういうの、めちゃくちゃ怖いんだが……

 だって見えない敵が近くにいるんだぜ?ヤバいだろそれ。

 さっきから偉そうに指示を出したりしていてはいたが、内心ションベン漏らしそうなくらいビビっている俺である。


 すると――俺が探しても見つからない敵をみさとは見つけたらしく、「あ!とうま!あそこ!」目の前にある畑の真ん中らへんを指さしながらそう叫んだ。


「いたか!?」


 俺はみさとが指を指した所を凝視する。

 すると、確かにそこの小麦が微かにガサガサと動いているのが分かった。


 ん?でもあれって風で揺れてるんじゃないのか?

 そんなところよりももっと他の場所がありそうだが……

 俺はそこから視線を外すと、他の場所に居ないか探し始める。するとその瞬間――


「とうまッ!!」

「あがッ!?」


 力強くみさとに横へ突き飛ばされた。

 って痛ってぇな!何すんだよ!


 俺はコケたせいで地面に打ったおしりを擦りながら、涙目でみさとにそう文句を言おうとする。

 しかし――直ぐにやめた。


「って、な……」

「危なかったわね」


 何故なら俺が突き飛ばされてすぐに、さっきまで立っていた場所に石が勢いよく飛んだからだ。


 その石は明らかに風で飛んできたような物ではなく、明らかに何者かが明らかな殺意を持って投げた物だ。

 そしてそんなことをして来るのは、今の状況的に考えてそいつしかいない。


「な……」

「現れやがったわね……」


 俺は石が飛んできた方向に顔を向ける。

 そこに立っていたのは、赤い目をギラギラとさせて、不気味な笑みを浮かべている小さな緑のモンスター、ゴブリンだった。



「ついに現れやがったな……って!?」

「ギャギャギャ!!」

「くッ!」


 俺がそう呟くと、なんとゴブリンはいきなり不気味に笑いながら走って来て、鋭い爪を振りかざしてきやがった。

 くっそ……!いきなり危ねぇ野郎だぜ!


 しかし、流石にそんな攻撃、色々なモンスターたちと戦って来た俺は簡単に避ける。


 軽くバックステップをして後ろに下がると、冷静に剣を構え直し、


「今度はこっちから行かせてもらうぜッ!」


 次は俺からゴブリンの方へ近づくと、剣を振りかざして攻撃をしようとする。――が、そんな俺を寸前のところで止めたのはなんと横にいたみさとだった。


「ちょっと待ってッ!」

「な!?なんだよ!って危ねッ!」


 俺が寸前のところで動きを止めた事により、もちろんゴブリンはその隙に攻撃をし返してくる。

 

 盾でなんとか防ぐ事は出来たが――マジで今のはやばかったぜ……

 再び後ろへ下がると、少し強くみさとに要件を聞く。


 いくら仲間と言えど――今のは良くないぞ?

 危うく傷を負うところだったじゃないか。


「おい!今のはダメだろ!」

「ごめん!でも今ゴブリンを殺したらダメなの!」

「は?ゴブリンを殺したらダメだと?」


 そりゃどういうことだよ。

 ダメなのはみさとの頭なんじゃないのか?(とは言わないが)


「えぇ、だからこのゴブリンをどうにか気絶させましょ。」

「気絶だって?さっきからほんとに何言って――」

「お願いッ!」

「……ッ!分かった。俺はどうすればいい?」

「とりあえず、下がってて。」

「へいへい」


 たく……わがままなパーティーメンバーだぜ。

 だがまぁ、俺たちの中でもみさとは強いし賢い。

 きっと何かしら思いついたんだろう。


 俺は言われた通り後ろに下がると、それに変わって今度はみさとが前に出た。

 そして――


「さぁ!かかって来なさい!」

「ギャギャギャ!」


 手を前に伸ばし、手前にクイックイッと指を曲げて、ゴブリンを挑発した。

 それにもちろん乗ってくるゴブリン。前のめりでみさとの方へ突進していく。

 

 するとみさとは、そんなゴブリンを華麗に横に交わす。

 そして、手に持っている剣をなんと地面にほおり投げると――手を真っ直ぐ伸ばし、避けられたせいで前のめりに転けそうになっているゴブリンの首を、


「はぁぁぁッ!!」

「ギャギャッ……」


 手刀で力いっぱい叩いた。――って!?

 それ漫画とかでよく見るヤツ!?!?本当にやるやつなんて初めて見たぞ!?


 しかし、どうやらそんな不安過ぎる攻撃は効果抜群だった様で、ゴブリンは白目になると、舌を口からはみ出させながら地面に倒れた。


「どうよッ!」

「す、すげぇ……!」


 これには流石に俺も感嘆の声を上げた。

 いや、確か今のって相当手の力が無いと出来ないやつだろ?

 みさとすげぇ……っと、まぁ一旦みさと怪力説は置いておくとして――


「でもよ、気絶したこのゴブリン、どうするんだ?」


 俺はみさとにそう聞く。

 だってわざわざ気絶させる意味ってやっぱり無いじゃん?

 さっきは緊急事態だったから言わなかったけどさ。


 すると、そう聞かれた瞬間みさとはニヤリと笑い、こう言った。


「ふっ……良い事よ。」

「こ、怖ぇ……」


 みさとさん、マジ怖ぇッスよ……

 おそらくこれからこのゴブリンの身には、災難な事が起きるんだろうな。

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