カッカタ
晴れた日の夏だ、きれいな夕日を見た。
その夕日はまるで祝いながら泣いているようだ。
僕の町は東北の割りと暖かいところだ。
夏になると鬼剣舞という踊りが栄えている。
鬼の面を被ったお兄さんたちが刀を振りながら舞うのだ。
その日は眠るときもぐっすりだった。
次の日の朝木陰に女の人がいた。
その人はやや下向きににこやかにうつむいていた。
僕は通りすがるとき勇気を出した。
「こんにちはー」
お姉さんはパァっと明るい表情になった。
「僕のお名前は?」
「僕は近所に住んでるアキタです〜」
「お姉さん、名前よりもまず自己紹介したい…」
え?っ
「僕は学校を遅刻した。
クラスのみんなはびっくりした顔で無音だった。
先生は職員室に連れ出した。
僕の顔は鬼になっていたのだ。