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短編集

魔法使いなのに魔法が使えないから、杖で物理攻撃をする事にしました

作者: 桜橋あかね

[適性能力(マッベルガー)]と呼ばれる、人には何かしらの能力がある世界。

………それなのに、一人だけその能力に悩まされた人が居ました。


▪▪▪


俺の名前は、シェッドー。

[適性能力(マッベルガー)]は、魔法が使える事となっている。


先祖の代から、魔法が使えるらしいのだが……

俺は一向に使えないのだ。


で、なぜそれが分かったのか。


さっき、「先祖の代から」って話だったろ。

俺の一族が、代々受け継いできた『魔法の書』ってのがあってな。


それを幼少の頃から唱えているのだが、唱えても使えないのだ。



………で、今。


魔法が使えず、成年になった。


両親から、勘当された。

「幼少の時はまだ良いが、もう面倒を見きれん」と。


家を追い出された俺は、ふと街の広告を見かけた。


『[適性能力(マッベルガー)]には、特殊異変する事があります。無料の適性検査をいたします。』


特殊異変?

広告の下には、その言葉について少し触れていた。


『特殊異変:何かしらのDNA変異で先祖と違う能力を持つ事を言います。』


………もしかしたら、これかもしれない。


▪▪▪


俺は、その足で検査機関である「能力検査機関(メーヴェルナーゼ)」に向かった。


建物に着いた。意外と質素な造りなんだな。

もっと立派なところだと思っていたよ。


……まあ、それはさておき。

受付の人に、事情を話した。


「分かりました。少々お待ち下さい。」

そう言うと、何処かに内線電話をした。


「お待たせしました。……担当の方が、すぐ来ますので。」


そのまま、1分ほどで白衣を着た人が建物の奥からやって来た。


「貴方が、シェッドーさんですね?」

そう言われて、俺は頷いた。


「私はここの所長である、ナステラと言います。それでは、早速ですが……能力検査をしましょう。」


案内されるまま、建物の奥に入っていく。

そして「適性検査室」と書かれた札がある、部屋に入った。


部屋の中には、書物や実験道具など……色々物が置かれている。


机に座るように催促され、そのまま座る。


「……それでは、質疑と適性検査を行います。」


質疑は、名前と家系、代々受け継いでいるとされてる能力を伝えた。


それから、ナステラは部屋の片隅から大きな機械を引っ張り出した。


「……これは、脈から能力を探知する機械になる。ものの5分で判別出来る。」


普通にすごいな。

脈から能力を見出だせるのか。


手を出すように言われ、机の上に置いた。

機械からパッチを取り出し、手に付けた。


「それでは、検査を開始する。」


それから5分。

『検査が終了しました』、と機械音声が言った。


機械の画面に、能力名が書かれていたのだが………


そこには、『適性能力は、打撃による物理攻撃』と書かれていた。


▫▫▫


それから、俺ことシェッドーは巷から―――


【杖を振り回して攻撃する強い奴】


と呼ばれる事となった。

読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] シュールですね。 面白かったです!
2022/05/18 19:53 退会済み
管理
[良い点] 能力を自覚したシェッドーは杖で敵をバッサバッサと倒したのでしょうね…。 そのシーンを見てみたい気もしました(笑)
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