第十五話 竜の攻撃
ブン！
空気が震え、常人なら瞬間移動したと思う速さで竜の顔が拙者の前に迫ってきた。
「！？ こんなに巨大なのに早いっすね」
「カアァァァ」
竜が大口を開けて拙者を食べようと首を伸ばした。
深淵より真っ暗な竜の口の中を見るだけで拙者の体がゾクリと震える。
「ははっ！ そう簡単には拙者は食べられないっすよ」
拙者は迫る竜の歯を蹴り、後ろにジャンプして後方にある木に着地した。
「二神一天流」
刀をクロスしながら両手に持ち、木を思いっきり蹴る。
その威力で木は折れてしまったが拙者は竜の頭上まで一気に加速して飛んだ。
「『稲妻超雷々』」
飛びながら超超高速で空中を切り裂き、それにより熱や静電気を纏った稲妻の何十倍も威力のある一撃を竜の頭に思いっきり叩き込んだ。
ピシャ！ ゴロゴロッ！
「ガァッ！？」
斬った衝撃で竜の口が閉じ、顔から地面に落ちて大地が大きく陥没した。
が、竜の鱗は拙者の予想以上に固く、血を出す部分まで刃が通らなかった。
「ぐっ、なんって硬さなんっすか」
ゾクリ。
「うひゃっ！？ この気配はやばいっす」
殺気を感じとり竜の頭から体へと駆け出した。すると先程まで拙者のいた場所に竜の羽が二枚叩きつけるように落ちてきた。
「危なかったっす。二神一天流『瞬蛇の舞』」
竜の体の上を蛇のようにくねくね動きながらあちこち斬っていく。
がしかし、いくら斬っても竜の体から血が流れることはなかった。埒があかないので一度竜の体から降りる。
「師匠から受け継いだ国に二つとない名刀『大和』と『倭國』でも傷一つ負わせられないなんて厄介な鱗っすね」
「カアッ」
拙者を睨みながら竜がふわりと地面からニ、三メートルの高さで浮く。
「何のつもりっすか。そんな中途半端に飛んでも、そこはまだ拙者の攻撃範囲内っすよ」
ドンッ！
「がっ……！？」
突然拙者の体が吹っ飛び、はるか後方にあった木に激突する。
体を鍛えていて全身を鋼鉄のように固くできるため、木に激突したダメージはあまりなかったが。
「いたたた……なんっすか今のは」
目に見えない衝撃のダメージで拙者の体は正面から身長大の鈍器で殴られたように赤く腫れていた。
「痛いっすが骨は折れてないっすね。良かったっす」
「カアァァ！」
ドッドッドッドッドッ――
竜が鳴き、そして地面が二メートルほど円状にボコッと消滅し、どんどん穴を増やしながらソレは近づいてきた。拙者は起き上がり再び刀を構えるも、原因不明の超常現象を目の当たりにして戸惑っていた。
「なんなんっすか。この場に一体何が起こっているんすか！？」
暑いので首に巻く冷えたもの買いたいですが、人気なのか売り切れでした(/ _ ; )
ダイソーのポータブルクーラー買おうかな。
