引っ越し
「あははは。やっぱり殺人は、止められねーな。」
その男は、また1人、人を殺した。
「いやだ。行かないで。」
「あ?うるさいな。」
「でも。」
「殺すぞ。」
「ひ!」
そう言って、男は出ていった。
次の日、
「おい。聞いたか。昨日、貴族の当主が殺されてたんだってよ。」
「まじで。それって、噂のジャックザリッパーってやつ?」
「どうも手口がそうみたいだぜ。」
「おっかねーな。絶対、かかわかりたくねーよ。」
「な〰️。あ、ちょっと、あそこの店に入らねーか?」
「おお。いいね。焼き肉か。」
「ああ。」
男たち二人は、そう言って、焼肉店に入っていく。
「いらっしゃいませ。今日は、何にされますか?」
「とりあえず、タン二人前で。」
「かしこまりました。」
そう言って、店員は、焼き肉を取りに行った。
「店長、タン二人前です。」
「わかった。とりあえず、そこにある食器を片付けといてくれ。」
「分かりました。」
そういいながら、ここでバイトをはじめて、もう、3年かー。店長とおかみさんには、返しきれない恩があるな〰️。
「ほらよ。あとは、そこにあるタレもつけといてくれ。」
「分かりました。」
そう言って、お客さんに焼き肉のタンとタレも持っていく。
「どうぞ。お客様お待たせしました。」
「おう。そこに、置いといてくれ。」
「かしこまりました。」
「それとだな。少し話をしていかないか?」
「は?」
「いやね、最近、ジャックザリッパーなんて噂聞いたことない?」
「いえ。ないですね。」
「そうなの。結構有名なんだよ。」
「はー。」
「知らないならいいんだ。悪かったな。変なこと聞いてよ。」
「いえ。そういったことは、気を使いますからね。用心にして当然です。」
「そうだよな。」
「では、お楽しみくださいませ。失礼します。」
店員は、そのまますごすごと店長のいる料理場に行く。
「店長、少し勘の働くやつが客として来ています。」
「なに?そうか。じゃあ次の注文で核心に触れるようなら殺せ。」
「はい。」
「いやーにしてもこの肉うまくないっすか?」
「これは、最高級だな。」
「ですよね。」
「で、お前のスキルに反応はあったか?」
「いえ。特にないですね。」
「じゃあ、別のところか。」
「ええ。て言うか先輩質問ド直球過ぎません?」
「そうか?」
「あれ、怪しまれますよ。」
「次からは、変えるよ。」
「それでは、店員さーん。」
「はい。」
「えっと。」
「あの、お会計をしたいからいいか?」
「はい。構いませんよ。では、向こうで。」
「はい。」
「もう帰るんですか?もう少し食べましょうよ。」
「お連れの方は、こうおっしゃられてますが。」
「いや、大丈夫だ。俺が払うから。」
「なら、いいっすよ。」
「えー。1000ベルです。」
「じゃあ、これでな。」
「確かに。ありがとうございました。」
そう言って、二人組の客は、出ていった。
(あの、殺気に気がつくとはね。やっぱ、暗部の人間かな。抗日辺りかな? )
「店長、出ていきました。」
「そうか。じゃあ今日は店仕舞いにしようか。」
「分かりました。」
そう言うと、店員と店長は急いで店を閉まった。
「そろそろ、ここらへんも潮時かもな。」
「そうですね。たぶん、明日辺りには査察に本格的に来ると思いますよ。」
「だなー。」
そう言うと、店長は、
「じゃあ道具類をここに集めてきてくれ。」
そう言って、魔方陣を展開した。
「はい。」
店員は、道具やら机やらをひょいとすべて片腕で持ち上げて器用にその魔方陣に乗せた。
「よし。」
「収納」
すべての荷物をまとめて、
「ああ。」
「逆転」
すると、建物のすべてがもとに戻った。朽ち果てた建物に戻っていた。
「相変わらず、店長の魔法はすごいですね。」
「まーこういうことしか出来ないんだがな。」
「いえ、自分はこういう細かいことが苦手なのですごいと思います。」
「まーいい〰️。」
「よしじゃあ、トンズラするぞ。」
「はい。」
そう言って、二人は、町から離れていった。