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Take It All!~異世界転生でチート級の超絶イケボに!冴えない営業マンが勘違いで伝説の英雄を掛け持ち美少女ハーレム無双? だけどスマホの充電がきついっす~  作者: 硫化鉄
第三章 火の章

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第九十二話 決着の味。

「あははははははははは! いやぁもうほんと、笑うの我慢すんの苦手なんだからさぁ、あんまり笑かさないでくれる?」


 俺の豹変っぷりに度肝を抜かれ、黙り込む男達。


「あ、ついでに言っておくけど、あんたがたの言う、その荷物とやらがあったお部屋は全て解放してますのでー。

 お部屋の中にはぁ、荷物じゃなくてぇ、たくさんのお客様が乗っていらっしゃったのでぇ、皆さん上の階に移っていただきましたよぉ~」


 だめだ、こいつらに対する怒りが強すぎて、おちょくりが止まらねえ。


「なんだと、てめえ……」


 ようやくおつむの悪いやつらにも、状況が飲み込めてきたようだ。


「もちろん、火事なんて大嘘ですのでぇ、このまま王都まで、そのお部屋でおくつろぎ下さいねぇ」


 俺は奴らに、さらに強烈なおちょくり笑いを浴びせかけてやった。


「くそぉ、なめやがって……!」


 やつらの頭に完全に血が上るのがはっきりとわかった。だってね、あいつらドアをぶち破ろうとして、何かわめきながら一斉にドアに体当たりをし始めたんだ。内開きのドアを体当たりでぶち破るなんてかなり骨だろうにねえ。


 そろそろ、頃合かな。


 【鍵】の能力はドアに触れるだけで鍵とドアを開いてくれる。この時、俺がドアの開き方を念じてみたらどうなるだろう。


 俺は『力いっぱい思いっきり開け!』と念じながら、やつらが体当たりしてくるタイミングに合わせてドアに触れた。


 次の瞬間、硬い木で出来た頑丈なドアが思いっきり開き、体当たりしてきた男達にカウンターでヒットした。男達はそのまま後ろに吹き飛ばされ、折り重なって倒れた。





 男達がうめきながらやっとの事で身を起こした時、中にいた女の子は既に俺達の後ろに移動していた。まぁこのままこいつらを閉じ込めてもいいんだけど、まだもうちょっとお仕置きしたい気分だな。なんて思っていたら、セレンが青の琵琶を取り出した。


「……ワダツミ・ストリングス」


 変形させたワダツミ・ストリングスの弦を軽く弾く。俺は青の鎧feat.ガイオウがこの武器で行った攻撃を思い出した。ちょ、ちょっとセレン、それはやりすぎじゃ……。


 弦が震える音が響くと、ワダツミ・ストリングスから大量の水が噴出し、セレンはその水を男達に浴びせかけた。


「じゃ、おじさんたち、捕まってた人達は全員解放したからね~」


 いきなり浴びせられた水を飲んでむせ返っている男達に追い討ちをかけるように笑ってやると、男達はまた怒りに任せて俺達に向かってきた。


 三人は開いたドアに殺到し、シェリーが足元に張っておいたアイビー・ウィップの蔦に足を取られ、廊下の反対側の壁に顔面から突っ込んでいった。





 五分後、三人の『人買い』どもは、アイビー・ウィップの蔦に縛り上げられて、もといた部屋の中に転がされていた。これで王都へ着いた時にこいつらを警察的な人達に引き渡す準備は整った。


「それでは失礼します。お客様、そのままごゆるりと王都への旅をお楽しみ下さいね? では、良い旅を~」


 俺が三人に手を振ってドアを閉めようとしたその時、ワダツミ・ストリングスの弦が鳴り、水の刃がやつらに襲い掛かった。顔や太もも、わき腹など、縛られた隙間を切り裂く刃に、男達の絶叫があがる。ちょ、これはやりすぎだろ。


「ちょ、セレン、さすがにこれは……」


 俺が言いかけるのを意に介さず、セレンは黙って弦を鳴らした。

 今度は光る水がほとばしり、今彼らに付けられた傷を治していく。よかった、さすがに殺すのはまずい。無事な状態で警察的な人たちに……。


 べべーん。


 ワダツミ・ストリングスの弦が鳴り、水の刃がやつらに襲い掛かった。さっきと同じように顔や太もも、わき腹などを切り裂かれ、男達の絶叫があがった。せ、セレン?


 間髪いれずにセレンは弦を鳴らした。

 光る水がほとばしり、今彼らに付けられた傷を治していく。


 べべーん。


 さらにワダツミ・ストリングスの弦が鳴り、水の刃がやつらに襲い掛かった。さっきと同じように顔や太もも、わき腹などを切り裂かれ、男達の絶叫があがった。せ、セレン、マジか。


 間髪いれずにセレンは弦を鳴らした。

 光る水がほとばしり、今彼らに付けられた傷を治していく。


 べべーん。


 またもワダツミ・ストリングスの弦が鳴り、水の刃がやつらに襲い掛かる。

 セレンの眼は据わっていた。あ、これ、やばいやつだ。


 間髪いれずにセレンは弦を鳴らした。

 光る水がほとばしり、今彼らに付けられた傷を治していく。


 何度も何度も死ぬような苦痛を与えては治すという、とんでもないお仕置きに、男達は完全に泣いちゃっていた。やべえ、セレン怒らすと怖すぎる。


「せ、セレンさん、もうそろそろやめて上に上がりませんか? お、お疲れでしょう?」


 セレンはとっても穏やかな笑顔で、俺に優しくうなずいた。こ、怖すぎる。





 捕まっていた人達が集められたホールでは、ちょっとした問題が起こっていた。


 彼らが、四等のエリアに戻りたいと言い出したのだ。

 確かに三等以上の客室はかなり埋まっている状態ではあるのだが、彼らのその申し出は、遠慮などから来るものではなく、心からそう望んでいるようだった。え、なんで?


「私達は、他の方々に顔を見られたくないのです……」


 三人の『人買い』どもの部屋にいた子が代表して俺に言った。


「男性の方々は三等以上に行くのがいいと思いますが、女性は……」


 その子も、一般的な火の民の女性と、似てはいるがやはりちょっと違う顔立ちをしていた。でも充分に、いやむしろ一般的な火の民女子より可愛いと思うけどなぁ。


 彼女の言葉に、男性陣から異論が上がった。そりゃそうだろう。一緒に捕まっていたのに、女子だけ戻って自分達は三等以上でのうのうと過ごすなんてねえ。


 しかし、折角助けたのに、これからあんなすし詰めの牢屋みたいな部屋じゃなく、快適な部屋で過ごして貰えるのに……。


 俺の袖を引っ張って、シェリーが首を横に振った。


「私達は、どこへ行っても、この顔を見られればどういう人間なのかばれてしまうんです。好奇な視線に晒されたくないんです。

 助けていただいた事には感謝します。ですが、どうかお願いですから、四等にいさせてください」


 彼女はそう言って、俺に頭を下げた。全員が一斉に頭を下げていた。俺には、もう言うべき言葉が見当たらなかった。






 彼女たちが四等エリアに戻り、船員達も持ち場へ戻っていった。

 ホールに残っているのは、俺達と、一部始終を見届けていた船員だけになった。


「……彼女達、これからどうなるんだろう。ちゃんと帰れるかなぁ」


 俺はぼそりと言った。やりきれなかった。


「帰れないんじゃないですかねえ」


 船員があっけらかんと言った。おいおいマジか。そんなさらっと言える事か。


「実際、生まれ育った所から売られてきたんでしょうからね。帰ってもまた売られるだけでしょうし。行くところがあるとすれば、売られて行くはずだった先くらいでしょうね」


 なんなんだ。それじゃあ俺がやった事って、一体何だったんだ。


「大丈夫ですよ、彼らもみんな、そんな事わかってますから」


 船員が、事も無げに言うその言葉が、俺の心に深く刺さった。

 俺に助け出された時も、彼女達は結局何も変わらないとわかっていたって言うのか……?


「俺のした事は、意味なかったんだろうか……」


 俺は無力感に苛まれて思わずそうつぶやいた。


「そんな事ないですよ!」


 船員が慌てて俺の言葉を否定した。


「『人買い』なんてクズです。法律で禁止されていますしね。あいつらをやっつける時、俺もう超ドキドキしましたよ! かっこよかったなぁ! さすが、神の鎧に選ばれし英雄って感じでした!」


 船員はキラキラした目で言った。これも本気で言っているようだった。


「彼らの事は王宮騎士団がうまく取り計らってくれるでしょう。『人買い』の連中も騎士団に引き渡せば大丈夫です!」


 船員はそう太鼓判を押した。


 なんとなく、まだすっきりしなかったが、これ以上俺が介入するのは不可能なようだった。彼女達を無理に三等以上に上げようとすれば余計傷つけてしまうことになるのだ。


 俺達は、徒労感に苛まれながら、最上階のゴージャスな客室に戻った。




 完全に、その豪華さを楽しむ気持ちは失せていた。

次回予告。


シェライアだ。


いよいよ王都マティックに到着だ。

王宮へ向かう私達に力を貸してくれたのは……!

いよいよ、王妃との謁見!


次回、Take It All! 第九十三話

「騎士団、そして王宮。」お楽しみに!



え、ちょっと待って! これってどういうこと!?

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