Episodio 6 Strategia Conferenzaー作戦会議ー
「ああ、腹が痛い」
俺はそう呟いて、ゆっくり布団から起き上がる。
昨日、なんやかんやで俺たち椿隊の一員となった片倉 虹の歓迎の宴らしきモノで、食べ過ぎ、飲みすぎたこと、と言ってもただの炭酸飲料だが、を軽く反省しつつ支度を始める。
今日は明日の区長討伐に備えて、3人で作戦会議をすることになっている。
あいつら、ちゃんと来るかな。少し心配しながら顔を洗い始めた。
「バッキーさん遅いですよ。常に10分前行動を心掛けないと」
「遅かったな創也。もう俺らだけで始めちまおうかと思ったぜ」
何なんだよお前ら!と叫びたくなる。
ロリ魔法少女風中二病大砲とアニオタのデブごときにこんなセリフを言われるのはとても屈辱的だ。
俺は遅刻はしていない。むしろきちんと5分前には着いている。
だが、こいつらはおそらく俺にこのセリフを言うためだけにこんなに早く来ていたのだ。
しかもバッキーってなんだよ。俺のあだ名かよ、とツッコミたくなるがここで奴らのペースに乗るわけにはいかないので、話題を変えて本題に入ろうとする。
「まあ、とりあえず本題に入らせてもらう」
「あ、話を逸らしましたね」
「逃げに入るとは臆病な隊長よ」
と意地でも俺をいじり倒そうとするバカ2人を強引に無視して話を続ける。
「じゃあ、まず全員の武器を確認するから、利器を出して武装の構成を見えるようにしてくれ」
そういってポケットから《文明の利器》と呼ばれるスマホ型の機械を取り出す。
あの日俺たちに1人1つ渡してきたこの機械の性能は素晴らしいものだ。
利器のメモリーに保存した物は最大10個のスロットに登録でき、戦闘体に換装中は自由に一瞬で創りだすことが出来る。
しかし、創りだす際にはデータというRPGでいうところのMPのようなものを消費する。
消費する量は物によって異なり、また、人によって最大データ量に違いがある。
また、データは時間と共に少しずつ回復していく。
自分の最大データ量、現在の残りデータ量、自分の保存した物の創成に必要なデータ量までも利器で確認してみる。
俺は、全員が自分の武装スロットを表示したのを見て、紙に書きだした。
椿:日本刀、9mm拳銃、予備弾(9mm普通弾)、レーダー、迷彩服、無線機
福島:ライオットシールド、ボディーアーマー(自衛隊支給防弾チョッキ2型)、 9mm拳銃、予備弾(9mm普通弾)、レーダー、無線機、
片倉:カールグスタフ、魔女コスプレ一式、以下砲弾,榴弾、榴弾(改)火薬5倍、発煙弾、隠密行動型 迷彩セット(自衛隊支給)、レーダー、無線機
一通り書き終えた俺は頭を悩ませる。
この隊でどう連携しろというのか。盾を持った広人が敵を引き付け俺とレインで敵を攻撃までは分かる。
だが、刀での接近戦が中心の俺はいいとして、レインの砲撃は全く使えないではないか。
もし撃とうものなら、俺たちごとドカンだ。しかし、レインには砲撃の度に吹き飛ぶという欠点があり、味方の援護なしでは相当きつい。
詰んだ、心の中でそうぼやくが、そうしても何も変わらない。
さあ、どうする...。
そして、ー区長討伐戦当日ー