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第二印象

作者: 瀬川潮

「あれ?」

 初めて本四連絡船に乗り込んだとき、既視感がさざ波のように私の心を揺さぶった。

 踏みしめる階段。

 がこん、と手応えのある客室への扉。

 畳敷きの座敷席。

「すいませんが、お会いしたことがありますかね?」

 座敷を通り越し三人掛けの椅子に座ったところで、前席の男性が振り返って私に聞いてきた。見知らぬ男である。だが、どこかで見たような気がする。

「いえ、初めてのはずです」

「ですよね。初めてのはずですよねぇ」

 繰り返すが二度目ではない。

「私は四国への旅は初めてなんですよ。だから、この船にも乗ったことはないはずなのに」

 乗ったことがあるような気がする、と言う。私と同じだ。

「でも、私と会ったことがあるような気がするだけでこの会話をしたわけではないですよね?」

 私は自分に言い聞かせるように男に話した。男は、「ああ、それはそうですね」と。

 この時、ラジオを聴いている後席の男の声が耳に入った。

「よし、行けっ! 三冠阻止だ」

 競馬らしい。

 だが、私は知っている。結果は三冠馬の誕生だ。

「ああっ! 畜生」

 ほら。

 そういえば、これは第二印象と呼ばれる病気らしい。

 医者によれば、害はないと言うような気がする。



   おしまい

 ふらっと、瀨川です。


 他サイトのタイトル競作に出展した旧作品です。2011年度作品、瀨川潮♭名義。

 第一印象ではなく既視感ではないものを、ということで。

 物語で何をいっているのか、何をいいたいのか分からないとは思いますが、おそらく医者に聞いても「害はない」と言うような気はします。

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