7.セクハラされましたよ!とりあえず、ぶっ飛ばしましょう。
今回は、短めです。
「あら、まぁ。」
まさかこんな場所に出るとは、想定外もいいとこだ。
結界破ろうとしてる人の真上とか。
おかげで下敷きにされた人「ぐえっ。」って、かえるが潰れたみたいな声出してるじゃないか。
ばあさん。
あんた、絶対わざとだろ・・・。
「はぁ。」
ため息を吐きながら、結界を破ろうとしていた人を・アインツ・の奴ら向かって蹴り飛ばす。
なんで、蹴りつけるかって?
そんなの決まっているじゃないか、足で踏みつけたものを触りたくない。
ただ、それだけさ。
「貴様っ!何者だ!俺たちの、仲間に何しやがるっ!」
騎士くずれの男が、吠えるが無視。
この手の奴は、鬱陶しくて面倒だからパス。
もっと冷静で頭よさげな奴じゃないと、時間稼ぎには向かない。
男たちを眺め回しながら、頭がちょっと良さそうでプライドが高いやつを探す。
一際、存在感のある男が穏やかに笑い掛けてきた。
「御婦人。あなたは何者ですか?廃村に近いこの村に、あなたのような御婦人が居るはずがないのですが?」
「私はただの魔術師ですよ。そして、私がどこに居ようとそれは私の自由。誰かが決めることではありませんわ。」
二人の会話を周りの男たちは、片すを呑んで見ている。
人を頭の先から足の先まで値踏みするような目で見るな!痴れものが!
舐められる訳にはいかない。
穏やかでありながら、芯の強さを感じさせるような言葉と口調を選ぶ。
めんどうだが、ガマン、ガマン。
ここで、ボロが出たら村も私も一巻の終わりだもんね。
頑張って、時間稼ぎしなくては。
「ほう。美しいだけでなく教養もおありなのですね。どうです?我々と、一緒に来ませんか?あなたほどの魔力があれば、王都に行けば稀代の魔術師なれますよ。我々が、それをお手伝いしますよ。」
「あなたがたと一緒に行くことはできません。私はこの村を離れたくありませんので。ですから、あなたがたのお手伝いは必要ありません。他をあたってください。」
ほら来た、勧誘。
利用してやろうっていう気配が、隠しきれてないですよ。お兄さん。
ダメ、ダメですねぇ。
こっちが、自分たちの情報を一つももってないとでも思ってんですかね?
馬鹿なんでしょうか?鎌かけてみるかな。
それと、山賊の時も思ったけどこの男も胸をガン見している。
人の話を聞く気あんのか、こいつら。
ホント、最低だ。
「人づてに聞いた話だと、最近この辺の村を焼き討ちにした盗賊団がいるらいしいのですけれど?あなたがた。何かご存知?」
「あぁ、それなら我々のことですよ。御婦人。」
「・・・・そうですか。だから、村の結界をわからないように破ろうとしたんですね。」
「えぇ。ですから、あなたも奪っていきましょう。御婦人、あなたは私の妻にふさわしい。」
「何を言っているのですか?あなたに私は勿体ないわっ!」
咲良の啖呵が戦闘の合図になった。
・アインツ・側が、攻撃を仕掛ける機会を伺っている。
あっさり、認めやがった。
明らかに失敗した。
藪から蛇だしちゃったよ!
ええぃっ、女は度胸だ。
殺るしかない。間違えた、やるしかない!
お互いに間合いを取りながら、魔法を打ち合う。
「サンダラ!サンダラ!」
「ダークシールド!」
相手の攻撃が来る前に広範囲指定で、サンダラを2回撃ち込んだ。
しかし、向こうの魔術師崩れが僅かながらに攻撃を軽減させている。
マズイ・・・。
目の前の男さえ居なければ、この人数でも問題はない。
しかし、この男の剣撃をよけながら攻撃するのはかなり難しい。
いったん、この男の剣撃が届かない上空に逃げるしかない。
おそらく魔術師崩れの的にされるが、シールド系最強魔法のイージスの盾をかければ問題はない。
「イージスの盾、レ・フライ!」
「おっと、そうはいかないよっ!」
「っ・・。」
咲良が飛ぼうとした瞬間。男が咲良の足をつかんで地面に引きずり降ろした。
咲良は、バランスを崩して男の上に落っこちた。
ドッターン>>
「いった~っ。足打ったぁ~。」
「すまないがっ、私の上からどいてくれないか。///眺めはいいし、触り心地も最高なのだけど。・・・少し、重い。」
咲良に下敷きにされた男が呻くように、足をさすっている咲良に言う。
が、彼の手はちゃっかり咲良の胸を鷲掴みしている。
その上、スリットからのぞけている下着が彼の場所からは丸見えである。
そう、咲良は彼の上に馬乗りになっている。
「・・・・・。・・・いっ。いやぁ━━━━━━!!変態っ!どこ触ってんだよ!死にさらせ!!サンダガ!ブリザガ!!シェイド!!」
「うわぁっ。危ない、危ないよ。お嬢さん、落ち着いて!」
咲良の平手をヒラリと交わし、男は咲良が乱発する魔法をよける。
しかし、最後のシェイドが男の足をかすり・アインツ・の他の仲間にも当たった。
痙攣して動けなくなっていく男たちに向けて咲良が叫ぶ。
「人の胸鷲掴みにしといて何言うか!この馬鹿!一発ぐらい殴らせんか!」
怒りに震えるその姿は、年相応の女の子のそれだった。
妖艶さもどこへやら、化けの皮が剥がれて自金が見えている。
しかも、御婦人からお嬢さんに格下げまでされている。
咲良の怒りが最高潮に達したその時、梟が咲良の視界に飛び込んできた。