6.着飾らされましたよ!とりあえず、腹をくくりましょう。
なんか、中途半端にエロくなりました。
う~ん。困った。
「さて、咲良嬢。時間がありません。これから湯浴みをしていただきます。そのあとは、香油を塗り着替えと化粧をしていただきます。咲良嬢と言えど、ここでは私たちにしたがっていただきます。」
いやいや、ここ衣装部屋だろなんで猫脚バスタブが?
いや、それよりもばあさんの指示よりやること増えてないか?
っていうか、嫌だって言ったのに!人の話聞いてる?
いろいろな文句や疑問が頭の中を駆け巡るがどれも声に出すことはできない。
混乱しすぎた。
口ぱくぱくしながら、現実逃避しそうになる私に使い魔は非情だった。
一見すると美少年とも美少女とも思える使い魔たちに、服を脱がされ、下着まで脱がされた。
恥ずかしい・・・。
恥ずかしすぎて、・・・泣きそうだ。
が、使い魔たちの非情は続く。
「自分で体洗えるから!手伝いはいらないって!!」
「咲良嬢。先程も言いましたように、時間がありません。私たちにお任せください。玉の肌にして差し上げます。さぁ、体をお楽になさってください。」
もうこうなったらやけだ。
煮るなり焼くなり好きにしやがれ!!コンチクショー!!
泡だらけの湯船に、横たえられて体を洗われる。
ああ、これ案外気持ちいいかもしれない。
・・・・だが、気持ちよすぎてこれはヤバイ・・・
喘ぎ声が出そうになるのを必死に堪える。
なぜ、そんなに胸を執拗に洗うんだ!!!乳首を擦るな!
「あっ・・・・ん・・・・」
あああぁぁぁぁ、声が出たよ、出ちゃったよ。
ああ、もうホント泣きたい。
そこ、くすくす笑うな!
この使い魔、後で憶えてろよ!!
「咲良嬢。気持ちいい時には、声を我慢せず出していただいて構いませんよ。私たちは、気にしませんので。」
そんなこと言われてもっ・・・信用できんわ!!
さっきから、体の隅々まで愛撫するかのごとく、人の体を撫で回しやがって。
咲良は、涙目で使い魔を睨みつける。
「玉のお肌にするためです。相手は元貴族。そうそう簡単に、女の色香にはなびかないように教育された人間です。甘く見てはいけません。そういう男がかぶりつきたくなるような女性でなくてはいけないのです・・・。ですから、諦めてください。」
「・・・・・・っ、分かった。」
ああもう、諦めりゃいいんだろ!諦めりゃ!
咲良はようやく体の力を抜いた。
仰向けのまま足を開かされ、使い魔たちに丁寧に体を洗われていく。
彼らはとても丁寧に、体の隅々まで洗った。
途中で体を洗われているのか、愛撫されているのか分からず、咲良はひたすら頬を上気させて何度か耐え切れずに喘いだ。
「次は、こちらですよ。咲良嬢。」
そう言われても、腰が疼いて立てる訳がない。
「うわっ」
無理やり立とうとして、つるっとバスタブの中で転び。
頭をバスタブのふちにしたたかに打ち付けて、気絶した。
「「咲良嬢!」」
意識が途切れる瞬間に使い魔たちの焦った声が聞こえた気がしたが、知ったこちゃねぇー。
「「咲良嬢、咲良嬢。起きてください。」」
「んぁ?眠い・・・・。後、5分・・・。いや十分・・。」
何か、涼しい?それに、頭が痛い・・・。
「まだ、寝ぼけているようですね。しかし、時間がありませんので覚醒していただきますよ。」
使い魔の一人が、咲良の耳元で甘い声を囁く。
「起きてください。でないと、先程以上の快楽地獄に叩き込みますよ。その上で、・アインツ・の方々の真上に快楽に身悶える咲良嬢を落として差し上げますよ。くす。」
はい。鬼畜キタ━━━━━━!!嫌、嫌、絶対嫌!!
「起きます!起きます!!」
飛び起きた。
いや、誰だってこの状況なら飛び起きるわ!
また、くすくす笑いやがってこの使い魔。
マジで憶えてろよ!
急に起きたせいで、頭が痛い。
そういや、頭打ったんだっけ?
「はい。起きたなら鏡をご覧ください。私たちの、力作出すよ。」
手渡された鏡のなかには、濃いめの化粧の美女がいた。
いや、誰だこれ・・・。
顔を引っ張ってみる。
痛い。
私だ。
私の顔だ。
嘘だろぉぉ━━━━━━!!
「いいい・・・いったい、どんな術使ったんだ!なんだこの、どこぞの遊郭に居そうな顔はっ!!!」
「何の術も使っていませんよ。ただの、濃いめの化粧です。」
ビックリした。
驚いた。
昔、父さんがしみじみ女は化粧で化けてるから化けの皮はいで、もとい、すっぴんを確認してからじゃないと結婚しちゃいけない。
俺は母さんに騙されたんだ!って弟に力説してたっけ。
ごめん、父さん今まで「何大げさなこと言ってんだ、このオヤジ?」ぐらいに思ってました。
女ってこんなに変わるんだね。
お姉さんも、ビックリだ。
「咲良嬢。驚いているところ、申し訳ありませんが。姿見の前にお立ちください。寸法の確認を致しますので。」
言われるがまま、使い魔の手を取り寝台を下りる。
姿見の前に立った瞬間、絶句した。
何だ、このドレスはっ・・・!!
元の世界のキャバ嬢が着てそうな胸元も背中もガッツリ空いたドレスだ。
スカート部分にスリットもガッツリ入っている。
ん?
・・・・んん?
もしかして・・・?
首の後ろで結んでいるリボンを引っ張ってみた。
案の定、胸の部分も一緒に上がった。
つまり・・・・
「なぁ、ひとつ聞くがこのドレス首の後ろのリボンがとけたらどうなる?」
「ああ。お気お付けください。リボンがとけましたら、咲良嬢の豊かな胸が全てこぼれてしまいますので。」
「やっぱりかっ!!!しかも、よりにもよってボロンってこぼれる系のドレスかよ!!」
「仕方ありませんよ。そのお化粧に似合うドレスが他になかったのですから。」
「そして、咲良嬢の魅力を一番引き出せるドレスも他になかったのですから。」
使い魔はドレスの寸法を直しながら答える。
そうか、私の価値は胸しかないのか・・・。
顔を厚化粧で誤魔化して、Fカップの胸で男を釣れとな。
この使い魔ども、マジ鬼畜だ。
最低だ。
私が床にのの字を書いていると使い魔たちが、焦ってフォローしてきた。
「大丈夫ですよ。万が一、胸がボロンってこぼれてしまっても・アインツ・の男たちはそれに食いつきますから。結果オーライですよ。」
「そうですよ。胸がボロンってこぼれても、見た男たちを全員血祭りに上げて記憶飛ばせばいいんですから。なんとかなりますよ。」
「お前たち・・・・。フォローになってねぇんだよ!!ボケナス共が!!うらぁ!!」
かなりの暴言を吐きながら、使い魔たちを追い掛け回しているが。
その姿は、妖艶さ極まる牡丹の花さながらの美女である。
使い魔たちのおかげで、たまの肌。白魚のような手になっている。
本人だけが、気づいていない。
哀れである。
「お嬢や。準備は出来たかい?おお、見事に化けたねぇ~。」
使い魔たちが咲良にボロボロにされた頃、ばあさんが衣装部屋に入ってきた。
「「ご主人、お助けください~。」」
「あっ。こらっ、逃げるなー!!」
「おやおや。」
主人を見つけて助けを求める使い魔。
その使い魔に向かって、サンダーを落としまくる咲良。
その様子を楽しそうにみるばあさん。
実に、戦闘前とは思えないほど緊張感のなさがここにある。
「嬢や。もうその辺にしておきな。後、20分しか時間がないんだからね。」
「ウソ。もうそんなに、時間ないのかっ!」
「あぁ、ないよ。魔法陣の準備はできた。魔方陣の発動までに、10分は掛かるからいそぐよ。さあ、最後の仕上げだ嬢にユア・チャームの魔法をかけるからね。」
「・・分かった。」
「ユア・チャーム」
特に体に変化はない。気分も悪くない。よし、大丈夫そうだ。
「さぁ。嬢、これからが勝負どころだよ。あたしが、合図するまで・アインツ・も奴らをしっかり虜にしな。合図は、嬢の元に梟を飛ばすからね。じゃあ、結界の外に飛ばすよ。」
「分ってる。」
ばあさんが、私に移動の魔法をかける。
さぁ、私(中村 咲良)の一斉一題の大勝負。
・アインツ・の皆様、勝たせてもらいますよ。