2.村がありませんよ!とりあえず、説明を聞きましょう。
私が、この世界に召喚されて三日がたった。
召喚された村外れの草原から母娘の村に移動して、まず驚いた。
母娘に案内された村が廃村にしか見えなかったからだ。
村には女性や子供、老人しか見当たらなかった。
母娘に聞けば、先の対戦で夫と死別した人や身寄りのない人、先の対戦で何らかの形で王族の不興をかった者たちが寄り集まって暮らしているとのことだ。
だからと言って、家が半壊したり焼け焦げ跡をそのままにして暮らしているのはなぜだと聞けば、何度直してもすぐモンスターや山賊が破壊していくらしい。
その時、なんの気まぐれか私は聞いてしまったのだ。
「現状をどうにかする方法はないのか?」と。
それが、いけなかった。
あれよあれよという間に、村で一番強い魔力の持ち主のばあさんのもとに連れていかれ、魔力について説明をされた。
そのばあさん曰く、魔力の強さは見た目でわかるそうだ。
女性なら胸。男性なら顔らしい。
どういうことかと言うと、女性は胸が大きければ大きいほど魔力が強い。
男性は、顔が美形になればなるほど魔力が強い。
その時、私は思ったセクハラとただイケかい!!
つまり、母娘が私をばあさんのもとに連れてきた理由は簡単である。
私が、強い魔力を持っているので、「村を守るために魔法の修行を付けてもらう」というのである。
ちなみに私は、Fカップの胸を所持している。
しかし、私はあまりこの胸にいい思い出はない。
なぜなら、私は顔と体のギャップが激しすぎるからだ。
まぁ、わかりやすく例えるなら体はグラビアモデルも真っ青ないい体だが、顔が平凡すぎる。
このせいで、女友達からは妙な同情を貰い、男共からは整形を何度となく勧められてきた。
異世界に来て、あのめんどくさい視線から開放されると思っていたのに!!
あぁ、さらにキツクなるなんて!!
やめよう・・・。思い出しても欝になる。
とりあえず、この世界の魔力事情もとい胸事情とイケメン事情をおさらいしておこう。
この国の、平民の女性の胸の大きさはだいたいAAA~AAカップのいわば、洗濯板である。
魔力もほとんど無いらしい。
魔法訓練を受けた貴族でも、Aカップが限界らしい。
王都に居る魔術師たちもB~Cカップの間らしい。
今の魔術師団長は女性でDカップだそうだ。
ただ、もちろん皆さんご想像の通り、パット入りブラを付けて誤魔化す女性が大半だそうだ。
ただ、年に一度の未婚の女性全員参加の水着コンテストで結局バレる。
が、しかしそれでへこたれないのはどの世界の女も同じ、いやはや涙ぐましいですな。
この水着コンテストは、貴族男性が魔力の強い女性を妻もしくは側室にするために始めたそうだ。
妻はともかく、側室・・・・。
まぁ、現在はこの国では一夫一婦制なので、妾はつくれない。
一応、法律上は。
でも、時々貴族が平民の女性を攫って噂になっているがね。
あと、男性ですが女性以上にシビアなんだよね、これが。
平民の男性はまず顔を隠すことが許されていない。
これ、かなり困るみたい。
まず、イケメンの場合、女性が群がる。
まぁ、当然だよね。
女性陣の中に、男性の恋人や好きな人がいればいいのだが、いない場合。
女同士の骨肉の争いが起る。
また、貴族が一方的に見初めた場合攫われる。
続いて、フツメンの男性の場合なかなか嫁がもらえない。
なぜって、魔力が低いと生活に事欠くから。
この世界の技術・インフラのほとんどが魔力を使用しているため、魔力が高いほど高収入の職に付け、地位や名誉が転がり込んでくるらしい。
つまり、逆に魔力の低いものは農業の手伝いや馬の世話係など低収入の職か、悪ければまともな職に付けないこともあるらしい。
どの世界でも、女の敵は生活苦なんだね。わかります、ハイ。
この世界の男女の本音としては、女性はできるだけ美形の男と結婚したい。
男性は、できるだけ胸が大きい女と結婚したい。さらに、美形なら言うことなし。
まぁ、こんな感じらしいです、ハイ。
なんか、世界変わっても男と女の事情はあんま変わらないものなんだね。
めんどくさくて、やってられないよ。
なお、この世界は一度婚姻を結ぶと相手が死ぬか自分が死ぬまで、婚姻が解けないらしい。
この世界は、元の世界よりめんどくさい。
早く帰りたい。切実に。