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14.めんどくさりが顔を出しましたよ!とりあえず、行動しましょう。




どうしたらいい?

バンスに気持ちを伝えることは、元の世界に帰りたい私としては絶対にやってはいけないことだ。

いや、振られる可能性もあるのだが。

それはそれで、辛い。

しかし、帰りたい・・・。

元の世界に、自分の家に、家族に会いたい、友達に会いたい・・・。

昔はめんどうでしかたなかった・・・。

でも、失くした今ならわかる。

それが、自分にとってどれほど大切だったか。

帰りたい・・・。

帰りたくてたまらない・・・

でも・・・・・。





「悩むより、行動したほうがいいんじゃないっすか?」


肩に鮭がいっぱい入った籠を背負ったペリーが疲れたようすでのろのろとやって来た。


「どういうことだ?」


人の気も知らないで、とつい睨みつけてしまった。

ペリーはそれすら気づかなかったようで、咲良のそばに背負っていた籠を下ろした。



「だって姐さん、御頭のこと好きっしょ?それで悩んでるんっすよね?」


「なっ、なっ・・・・」



違うとは言えなかった。

それ以上になんで、ペリーが知ってるんだ?

顔を上げてペリーをまじまじと見る。




「いや、そんなに驚くことっすか?っていうか、姐さんが御頭のこと好きなのはみんな知ってるっすよ?」


「そうですね。むしろ、気づいてないのは姐さん本人だけですよ。まぁ、でも姐さんが悩むのも分かりますよ。どう足掻いても、御頭は盗賊の頭領です。お貴族様であるあの馬鹿使者に紹介するためには、身分やら財力やら権力やらに屈しない為の策と後ろ盾の偽装が必要ですからね。」


「いやいや、フィニさん。違うっすよ。姐さんは今、御頭に告白するべきかどうかで悩んでるんっすよ。」


「ああ。そっち。」


「ときどき抜けてるんっすから。」





・・・・。

なんかこいつらの話聞いてるうちに、悩んでいるのがバカみたいに思えてきた。

とりあえず、帰る方法が見つかるまでバンスと一緒にいて、帰る方法が見つかった時の気分で帰るかどうか決めればいいかめんどうだし。

さて、そうと決まればバンスを捕獲しようかねぇ。

嫌がろうがゴネようが、是が非でも協力させてやる。

人の気を知りながら袖にするたぁ、いい度胸じゃないか。

女に恥じかかすとどうなるか、骨身にしみるほど教え込もうじゃないかっ!!




「二人共、バンスはどこにいるか分かるか?」


「ひっ」

「・・・・アジトに帰ってるはずですよ。自室の隠し扉の奥にいますよ、きっと。」


「分かった。では、2時間ほど邪魔が入らないようにしておいてくれるか。説教もとい説得するから。」


「「分かりました(っす)。」」




咲良は獲物を追いかける肉食獣の如く走り去った。

残された、フィニとペリーは後に語った。

あの時、姐さんの後ろに巨大な鬼が見えたと。


今回、短いです。

咲良、めんどくさがりゆえに悩みが持続しません。

バンスさんの未来やいかに!

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