1.とばっちり、喰らいましたよ!とりあえず、考えましょう。
この度は、私なんぞの小説を読んでいただき誠にありがとうございます。
処女作ですので、いたらない点たくさんあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
現在の状況を整理してみた。
1.部屋で寝ていたのに、起きたら草原だった。
2.なにやら、磯の匂いがするので海が近いらしい。
3.自分の体に変化はない。
4.目の前に、自分を呼び出したらしい中年のおばさんとその娘がいる。
5.どうやら、私(中村咲良)は間違って(訳;娘のいたずらで失敗)召喚されたらしい。
・・・・おばさんや、あなたの娘、殴っていいですか・・・
「ごめんなさいねぇ。まさか、世界を超えて人を呼び出してしまう、なんて今までなかったものだから・・・。うちの馬鹿のせいで、とんだことになってしまって、本当にごめんね。」
おばさんは、私に謝り続けているが、私の思考は別の所を飛んでいる。
おばさんの説明によればこの世界では、召喚は魔力の高い者なら割合簡単にできるらしい。
ただ、それはいわば輸送手段としてだ。
説明が長いので中略すると、おばさんは、ただ娘の誕生日祝いの品を王都の親戚から送られてきたから、受け取ろうとした。
そこに、最近魔法を覚え反抗期真っただ中の娘が、でしゃばった結果が私である。
つまり、私はまた面倒ごとに巻き込まれたらしい。
「母さん。この人、母さんの話し聞こえてないみたいだよ。」
「えぇ!じゃあ、もう一度最初から説明しなおさなきゃ。」
「いや、もういいんじゃない?面倒だから、この人置いて、逃げても・・」
「えっ?でも、そんな・・」
思考の途中で、馬鹿娘がふざけたことを言い始めたので、おばさんたちの会話に参加してやることにした。
・・・凄くめんどくさい。
「いや、聞こえているよ。お嬢さん、君は自分がどれだけの大罪を犯したか分ってないのかな?これだから、口ばっかの子供は困る。責任も取れないくせに、いろいろな事に首を突っ込みたがる。そのくせ、困ったら逃げる。やれやれ、醜悪の極みだね。」
「なんで、あなたにそこまで、言われなきゃならないのよ!!」
馬鹿娘が、吠えるが気に留めずに説明を続けてやる。あぁ、本当にめんどくさい。
「お嬢さん、君の頭にも分かるように説明してあげるよ。めんどうだけどね。まず、先程君のお母さんが説明した通り、異世界から召喚が成功した前例はない。つまり、私は自分の世界に帰れない。次に、呼び出した限り召喚者は召喚したものに責任を持たなくてはならない。これは、君もお母さんから嫌という程聴いてるだろ。つまり、この現状で導き出せる答えは、何かな?お嬢さん。」
「私は、あなたを扶養しなきゃいけないってこと・・・。」
馬鹿娘は、顔を青くして呟く。
まぁ、この子達の身なりを見る限り平民で、暮らし向きは中の下だろう。
知ったこっちゃないが。
「まぁ、私を元の世界に送り返せればその義務もなくなるさ。」
言いくるめられてるのに気づかない馬鹿娘は、希望を取り戻した顔になる。
その横の母親は、まだ混乱しているらしい。
こんなんで、この母娘は今までどうやって生活してきたんだろうか。
一抹の不安が過ぎらんでもないが、まぁいい。
とりあえず、寝床GETだ!!
余談だが、別に母娘は私を扶養せず殺す選択もあるのだが、それを私が教える義理はない。
だって、死にたくないしね。
それに何より、めんどくさい。